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シリーズ新的中国人『踊れば楽し』(ドキュメンタリー)

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中国の公園で集まってすることと言えば太極拳かと思っていたら、今は社交ダンスも盛んらしい。
そんな様子が約2時間たっぷり見られるNHKのドキュメンタリー。

ドキュメンタリーのテーマは、もちろんダンスそのものではなく、公園ダンスに集う人々を通じて現代中国を切り取るというもの。それはそれで、まあ面白かったが、私の目的はあくまで中国の社交ダンス愛好家の姿とそのダンスを見ること。

まず、どんな人がダンスをしているのか?
日中の公園(北京の天壇公園、日本なら日比谷公園のような位置付けだろうか)に集うような人なので、基本的に男性はリタイアした高齢者。ちょっと若いのは失業中とかそんなの。女性の年齢層はもう少し幅広いが、それでも中年以上。日本の社交ダンス層と同じと思ってよさそうだ。ダンス歴は年季の入った人では50年以上も。女性はこの公園で習い始めた人なんかもいて、まあいろいろ。

踊られているダンスの種類は?
実は最初はよくわからなかった。なんでかっていうと、曲が全部中華風だから(笑)。一言で言えばぬるい感じの曲が延々流れる。
見ることができたダンスは、フォックストロット(ブルース)とスウィング(ジルバ)、ワルツ、タンゴ。ボーカル曲もあったが中国語ばかり。
フォックストロットとスウィングあたりは、どちらもぬるい中華風ポップスなのだが、リズムが多少でも跳ねるようなのはスウィングとなる。曲が微妙すぎるけど、きちんと踊り分けていたのが印象的。

自分たちはここで一番うまいと思っているペアがいて、彼らが発表会の練習のためにパソドブレを踊りたいが、なかなかかけてもらえないというシーンも。時折かけてもらえるのだが、その時は大半が休んでそのペアのパソドブレを見守るということに。
なお、パソドブレは字幕では「スペイン舞踊」とか「闘牛のダンス」となっていた。

不思議だったのが、ルンバやチャチャチャといったラテンが一切なかったこと。たまたま映っていなかったのか、中国人はラテンが好みじゃないのかはわからない。ただ、かかっている曲の感じからするとビートの効いたラテンナンバーは好きじゃなさそう。
単に年齢層の問題なのかもしれないし、かかる曲はほとんど国産の曲のようで、中国にはラテンアレンジの曲があまりないのかもしれない。

これなんのダンスだろうなぁ??と思う謎のダンスがあった。しばらく見ていてこれはハッスルなんじゃ、と気がついた。大発見?(笑) いやー驚いた。
ハッスルといえば、『サタデー・ナイト・フィーバー』の世界。北京のお昼の公園とは世界観が真逆である。
だが、四拍子のダンスで比較的簡単なフォックストロット(ブルース)ともスウィング(ジルバ)とも、ましてやタンゴなどとも違うそのダンスは、私の習っているハッスルのステップだったのだ。
といってもハッスルというダンスのキャラクターである、粋とキレはなく、また女性のターンの連続という特徴も消えている。ハッスルらしさの残滓は明るさと楽しさくらいだろうか? ディスコミュージックでもないし。
確かにハッスルは楽しいし、技のバリエーションが簡単に出せるし、ステップを小さくすれば運動量も抑えられる。楽しくて踊りやすいダンスとして中国の公園では楽しまれているのだろう。

天壇公園は巨大な公園で、公園各地でこうした青空ダンスサークル(?)が開かれているようだ。取材されていたサークルは中では珍しく有料だそうだが、半年で30元(450円くらい)。
別にレッスンがあるわけでもなく、ただ集まって踊る。ただ、よほどの悪天候以外は確実に開かれているようだ。
また、見る限りパートナーチェンジはほとんど行われない。競技ダンスでもないのに、基本的にカップルで踊るものみたいだ。許可なく他の女性と踊ったりすると、追い払われたり、パートナーから嫉妬されたり大変みたいだ。
それと夫婦で踊るということも少なそう。「ダンスは妻(夫)と踊らないから楽しいんだよ」みたいなことを言っている人もいた。でも、ダンスだけの関係と割り切っていたカップルもなんだかやっぱり盛り上がっちゃったりして、年をとってお互いの相手が死んだら一緒に暮らそうみたいなことになったりとか。
社交ダンスの裏面にはセクシャルな部分が厳然としてあるのは間違いない。でも中国人はハッキリしていすぎる人たちなので、その辺の微妙さは日本に比べるとかなり表に出ているように感じた。いや、もちろん、公園で踊っているのを見るだけなら十分健全なんですけどね。


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