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『タンゴの男』(コミック)

映画じゃないけどペアダンス重要度:★★★★☆

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著:岡田屋鉄蔵
出版社:宙出版
2008年10月29日発行

 

このコミックは、いわゆる“BL(ボーイズ・ラブ)”と言われるジャンルの作品で、私のような者(男、ノンケ)が軽々に踏み込んでよいものでないことは重々に承知。

それでもあえてこの『タンゴの男』を当ブログで紹介するのは、ジャンルを超越する傑作と信じてのこと。
最近ではほら「よしながふみ」なんか、もうBL出身なんてことは関係ないような活躍ぶり。マンガでは時々こうして、マイナージャンルからメジャーへと飛び越えてくる“天才”が現れる。麻雀マンガとかホラーとか4コマ専門誌とかゲームアンソロジーとかロリ系エロマンガとか、そんな日の当たらないジャンルからも……。おっと、話がずれそう。
この『タンゴの男』の作者・岡田屋鉄蔵氏はこれが商業誌デビューらしいが、そうした匂いを感じた、ということ。

デビュー作らしく自分の好きな世界を心ゆくまで描いてみたという感じ。だから『タンゴの男』が描くアルゼンチンタンゴの世界は美しく深い。
アルゼンチンタンゴといえばアレですよ、その黎明期、ブエノスアイレスの場末の酒場で男同士で踊られることも多かったという伝説(?)があるくらいで、要するにBLモノのモチーフとしては最高!なわけですが、それだけではなく、アルゼンチンタンゴへの造詣も深いと思われる(多分踊ってるね、作者)。
中でもしびれたのがこのセリフ。

「あの目、あれは移民の目。祖国を離れ異国にただひとり、逃げ場のない孤独の中、夢見ることも諦め、生きる為にすべてを受け入れた目。ヒロ、お前の目は、タンゴを作った男たちの目だ」

読んでない人でも、タンゴ好きならなんとなくニュアンスがわかってもらえる……かな?
作中ではタンゴのシーンの他に、ほんのちょっとだけサルサも。都会の夜遊びダンスは、サルサかアルゼンチンタンゴ、というわけですね。社交ダンスってあまりに年齢層が高いからなぁ。

タイトル&表紙だけで買ったマンガですが、大当たりで大満足。自分の眼力にも満足(笑)。
ただ、改めて言っておきますが、BLジャンルに理解・耐性の無い方には、たとえアルゼンチンタンゴ大好きでもお薦めいたしません。

その昔、妹の本棚からこっそりと『風と木の詩』を読みふけり、今もよしながふみの作品はほとんど(同人含)読んでいる私(ついでに言えば妻は腐女子)ですが、『タンゴの男』の性描写は見たことのない類のモノ(ガテン系・モロ描写)で、さすがにちょっとキツイ。

岡田屋鉄蔵の二作目にも期待します(マイルド風味で・笑)。


[→映画タイトル目次へ]

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