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2009年4月

予告『Shall we ダンス?』

5月2日(土)BS朝日で『Shall we ダンス?』が放送されますね。
元祖というか、日本版の方です。
BSですけど、影響力のある映画ですから、社交ダンス教室も少し生徒さんが増えたりするんじゃないでしょうかね。

日本社交ダンス団体は、時にはまとまってテレビで影響力のあるダンス映画を放映するくらいの努力をしたらいいんじゃないかと思います。
社交ダンスを始めたくなるきっかけに映画って凄く強い力を持っていると思うので。

映画の感想もずいぶん書きましたが、『Shall we ダンス?』のようなダンス映画は、見直すたびにきっと違う感想を持つでしょうから、また書いてみたいと思います。

ところで、今回『Shall we ダンス?』が放送されるのって、草刈民代さんがバレエ現役引退をしたのとなにか関係あるんでしょうかね? 今後は女優業でやっていくらしいです。それはそれで楽しみです。

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『2番目のキス』

映画中ペアダンス重要度:★

51wsysfqnkl_sl500_aa240_ 2005年アメリカ
出演:ドリュー・バリモア、ジミー・ファロン
監督:ボビー&ピーター・ファレリー兄弟
104分

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tv予告編[→Go YouTube]

 

私はサッカーが好きで、ヴァンフォーレ甲府というあまり有名でないサッカークラブの応援をしている。毎週のように片道3時間ほどかけて山梨県まで通い、愛するチームを応援するという生活を10年近く続けている。
あまりに好きすぎて、仲間を募ってバスツアーを計画したり、最近では仕事にし始めてしまった(編集とか)。
はたから見れば、ハッキリ言ってクルっているとしか思えないほどの、情熱と愛と忠誠心をこのクラブに捧げている。

『2番目のキス』はスポーツ狂の話だ。つまり私の物語でもある。

ジミー・ファロン演じる高校教師のベンは、ボストンレッドソックスの熱狂的ファン。
キャリアウーマンのリンジー(ドリュー・バリモア)と出会い、2人は恋に落ち、順調に交際を始めるが、それは冬(野球のオフシーズン)だったから。
春になって野球が開幕すると、ベンのスケジュールはレッドソックス最優先。
最初はリンジーも彼に合わせようと付き合っているが、次第にすれ違いが……。

ダンスシーンは、彼女に説得されて、シーズン最終盤の重要な一戦をあきらめて、彼女の友人のパーティに行くシーン。彼も最大限の譲歩をして1試合あきらめたのだ。

パーティのテーマは「ギャツビー」、つまり1920年代米国のバブル時代『華麗なるギャツビー』の世界というわけで、モダン・ガールとダンディーというドレスコード(コスプレ?)パーティ。
アメリカでパーティというと、こうしたテーマを決めて、それに合わせた格好をすることが多いみたい。

白のタキシードにレッドバトラー風の口ひげをたくわえたベンは、一時野球のことを忘れてノリノリでダンスを楽しむ(チャールストン?とかスローリズムダンスとか)。

以下、ネタバレ。

パーティを楽しみ、良い雰囲気のまま家に帰った二人はベッドイン。最高の夜になったはずだったが、野球ファン仲間からの電話でテレビをつけたベンは愕然とする。
0-7で負けていたレッドソックスは、なんと宿敵ヤンキースに最終回大逆転勝利! 球場はもちろん、ボストンは町中お祭り騒ぎ。
なのに、彼はその輪の中にいない。20年以上一試合も見逃すことなくレッドソックスを応援し続けたのに、ただ1試合見逃した試合が最高の試合、歴史に残る大逆転。しかも最大のライバル相手に!!

呆然として泣きだしそうになるベン。
その気持ち、よーくわかるよ。もし自分がそんな試合を見逃していたら。そう、たとえば2005年の札幌ドームの大逆転を見逃していたら、いやリーグ最終京都戦・奇跡の入れ替え戦進出の一戦を見逃していたら、そしてあの入れ替え戦の停電やバレーのダブルハットを見逃していたら……!(私は全部生で見た・自慢)

悔やんでも悔やみきれないベン。ベッドでさめざめ泣くだけなら良かったのに、ついリンジーに当たってしまうベン。彼女は傷つき、そして別れを決意する。
彼にとっては一番はレッドソックス、私は永遠の二番手……。

一度は別れた二人だが、ベンは失ったものの大きさを悟り、犠牲を払うかのように叔父から受け継いだ、球場の永久シート権(まず手に入らない宝物)を手放そうとする。
そのことを知ったリンジーも、彼が払おうとしている犠牲の大きさに、彼の愛を知り……というわけで、二人は劇的な結末で復縁。その年のレッドソックスの奇跡の優勝で、完璧なハッピーエンド。めでたしめでたし。

でも、根本的には解決してないんだよねぇ。
まあきっとこれからは、お互いにお互いを尊重し、歩み寄っていけばきっと大丈夫なんだろう、という無理矢理納得してみたり。

私のとっては、ものすごーく身につまされる話……。
そんな風にこのラブコメ映画を観る人は愛するスポーツチームを持っている人だけで、少数のはずだが、世の中には確実にいるのだ。
映画はハッピーエンドだったが、きっと、彼女よりもチームを選択してしまう野郎も多いはず。理解はされないだろうけど、しょうがないんだよね、こればかりは。

私が幸せだったのは、ウチの奥さんも私に負けないくらいヴァンフォーレ甲府を愛していること。だからウチの最優先事項はヴァンフォーレ甲府なんです。あぁよかった(笑)。

サッカーに次いで得た趣味がダンスで、これまた奥さんと一緒に始めた共通の趣味。
私は観る趣味としてサッカーを、自分でやる趣味としてダンスを得た。どちらも一生もの。最高の趣味だと思っているし、なんと言っても幸せなのが、どちらも二人の趣味だということ。
いやー、今日のブログはすっかりノロケちゃったなぁ〜(笑)。

 

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追記1
あ、映画そのものはとても面白いです。
ファレリー兄弟にしては毒が少ないし、ドリュー・バリモアはめちゃめちゃカワイイし、ジミー・ファロンも好感度抜群です。
身につまされて泣きそうになるスポーツバカも含めて、誰にもオススメできるハッピーな映画です。

 

追記2
ウチにとってサッカーは最優先と言えますが、それは「大事でないことの中で一番大事」ということです。例えば冠婚葬祭、体調不良、肉親友人のピンチなどはサッカーより優先されます。
ダンスも最近は相当優先順位が上がってきていて、悩ましい日々です。ちなみに今日(4/26日曜日)はアウェーの試合をあきらめてダンスを優先しました。


 

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『社交ダンスが終った夜に』新潮文庫

51kgt7lgn0l_sl500_aa240_ 著:レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)
訳:伊藤典夫
新潮文庫(465ページ)
2008/10/28

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私にとってブラッドベリは萩尾望都とイコールになっている作家で、『ウは宇宙船のウ』や『霧笛』など萩尾望都で読んでから原作を読んだが、作風の一体感は見事なもので、萩尾望都作品のいくつかはブラッドベリ原作でなくてもなんとなく混同してしまうことがある。

高校生の頃に熱心に読んだ作家だが、80歳を超えてなお精力的に作品を発表し続けているとは正直知らなかった。

2008年に新潮文庫で出版された新刊である『社交ダンスが終った夜に』は、25編の短編が収められている。
表題作『社交ダンスが終った夜に』(原題:After the Ball)もわずか12ページの作品。
もちろんタイトルに惹かれて読んでみたわけだが、残念ながら社交ダンスとはほぼ無関係な作品だった。

詩的で幻想的な、ブラッドベリらしい作品だが、何度読んでもなにが言いたいのかはよくわからなかった。
でも、きっとそれでいいのだろう。

社交ダンス好きがタイトルだけに惹かれて読んでも意味がないかもしれない。
でも、旅の友にしたい一冊かな。

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『トワイライト〜初恋〜』

映画中ペアダンス重要度:★★

P0885

 

2009年アメリカ
主演:ロバート・パティンソン、クリステン・スチュワート
監督:キャサリン・ハードウィック
122分
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映画ブログなのに映画館に滅多に行かない私が映画館で観てきましたよ『トワイライト〜初恋〜』。

よりによって、こんな乙女しか見に行かないような映画を選んで観に行くとは、いよいよ私もどーかしてます。
でも、なんかレーダーが働いたのです。「これは踊るな」と(笑)。

さて、ダンスシーン、やっぱりありましたよ。
主人公たちは高校生なので、アメリカで高校生と言えば「プロム」です。
卒業式とかのダンスパーティですね。
『トワイライト』でもプロムで二人が踊りました。
でもヒロインは足骨折によりギプスなので、彼の足に両足を乗せる感じでチークダンス。
ずっと「ダンスは苦手よ」と言っていた彼女なので、これはこれでいいかなと。

ダンスシーンはそれだけですが、映画としても十分楽しめました。
「究極の純愛映画」とかっていう惹句ですが、どちらかというと「究極の禁欲映画」って感じ? だって、彼の方は理性のタガが外れちゃうと、彼女を餌にしちゃうか吸血鬼にしちゃうかなんですからね(あ、ネタバレ?)。

映像が常にお洒落で美しく(ゴスって感じ?)、バカバカしいところもありましたが、全体的によくできているんじゃないかな、と。

一番のネックは、主人公のヴァンパイアくんが美形に見えるかどうかですね。
角度によってはかなりいいんですけど、結構微妙な顔立ちです。
少なくとも“人外”という感じはしますね。

ヒロインは目立たない少女って設定ですけど、十分すぎるほど美少女です。
いや美少女って言うには十分成熟していて、確かにこれはヴァンパイアならずとも“美味しそう”と思うに違いありません(笑)。

ヴァンパイア一家の他のキャラクターや、悪い吸血鬼のリベンジや、狼族(カッコイイ)など、間違いなく続編が作られるだけの要素がたっぷり。
ハリーポッターで育った少女が観て妄想を膨らますには、とってもよい映画だと思います。

それにしても〈ヴァンパイアのルール〉を考えた人は天才的だなぁ……。


 

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社交ダンスと万歩計

社交ダンス教室でお会いする女性が、いつも万歩計を付けています。
でも先生によると、社交ダンスではあまり万歩計は役に立たないそうです。
ワルツでは3歩に1歩しか反応しないとか。

なるほどー、流れるように動くと歩いても縦揺れしないから万歩計が反応しないのかも。

逆に言えば、万歩計が反応するようだと、まだまだということなのかも。

もちろんクイックステップやサンバ、スウィング(ジャイブ、ジルバ)などでは歩数通り反応するかもしれませんねー。

「万歩計でダンスが上手くなる」っていう企画はどうでしょう?
どなたか、試してみませんか(笑)。

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ペアダンス武者修行

最近、慣れ親しんだアメリカンスタイル社交ダンスの教室以外にも通っています。
そこは当然、アメリカスタイルではありませんから言うなれば“他流試合”(いや、試合はしませんが)。私はこれを“武者修行”と称しています(笑)。

通い慣れた教室のメンバーでは、軽いリードでも通用してしまいます。
その点、まったく知らない人ばかりな上に、スタイルも違う人たちを上手くリードするのは難しく、それだけにリードの勉強には最適なのです。

例えば……、スウィング(日本ではジルバ)を踊る時、カドルというステップは一般的で、他流の私でもなんなくリードできます。
しかし、普通のカドル(左カドル)に加え、私は右のカドルも習って知っています。これはあまり行われないらしく、今まで何度かトライしましたが一度で上手くいったことはありません。
「カドルには逆回転の右カドルというのもあって、今やったのがそれです。もう一度やってもいいですか?」と聞いてからやってみると半分くらいはうまくいくでしょうか。
うまく行かない時は、位置がおかしくなったり、距離が詰まってしまったり、時には腕が女性の髪に触れて髪型を崩してしまうようなこともあり、これはやっぱりやらない方がいいのかなぁ、とも思っていました。

それでも家に帰って、落ち着いて考えてみると右カドルの時には、よりハッキリしたリードを心がけるのはもちろん、リーダーの位置が後退する形で受けるのがいいのだ、というコツを思い出しました。
レッスンでは習っていても教室ではフォロワーさんが合わせてくれるのでこのコツが実践できていなかったのですね。
実はその教室でもどんなフォロワーにでも、この右カドルが確実に出来ていたかというとそうではありませんでした。
でも、その時は私のリードがマズイとは思わなくて……。
他流で修行することで初めて生きたコツとして、右カドルのリードを自分のものに出来たような気がします。

右カドルの件は一例で、そんなことがたくさんあるのが、“武者修行”の価値であり効果だと思います。

といっても“武者修行”は、やっぱりツライ(笑)。知っている技のほとんどは封じられた状態で戦わなければなりませんからね(いや、戦いはしないのですが・笑)。
本当は、通い慣れた教室のメンバーと踊る時がやっぱり楽しいのです。

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追記
“武者修行”に適しているのは、ミニパーティや講習会、練習会などです。
ダンス教室のレッスンやサークルの定期練習日への飛び入りは難しいですし、長く通えないのが前提ですから失礼ですもんね。

私の通うアメリカンスタイル社交ダンスの教室「JSDC」では、月に一度「プラクティスパーティー」という練習会が開かれます。ダンスパーティと同じように、さまざまな曲がかかり(13種目!)自由に踊れますが、本当のパーティではないので飲食やデモ演技などはなく、価格も安いのが特徴です。
私はこの「プラクティスパーティー」が好きで、こうしたイベントをいろんなところがやってくれればと思っているのです。

JSDCのプラクティスパーティ(練習会)、次回は4月26日(日)、会場は代々木区民会館です。いろんなレベル、いろんなスタイルの方が来て面白いですよ。
ペアダンス好きの方、ぜひ!

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『B型の彼氏』

映画中ペアダンス重要度:★

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2005年韓国
出演:イ・ドンゴン、ハン・ジヘ
監督:チェ・ソグォン
98分

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tv予告編[→Go YouTube]

サルサのシーンが少しあるらしいとの情報を得て、NHK BSで放送したものを観ました。

そのサルサは、冒頭ヒロイン・ハミが友人たちとサルサ教室に行ってみた、というシーン。
まずダンスインストラクターが二人でデモンストレーション。結構ネットリ系のサルサだった。
その後、レッスンでは女性が男性を選んで開始、ただし男性に拒否権はない、というルール。
優柔不断なハミはちょっといいな、と思っている男性を見つけるがもたもたしている内にとられてしまい、余り物のキモ男と踊ることに(あまりにキモイのでインストラクターが追い出す)。
とまあ、これだけのシーンで時間にして2分くらい? 以後、サルサのシーンはなし(サルサ教室は懲りたのでもう行かないのであった)。
tv[→Go YouTube](2分目からサルサシーン)

映画は2004年に韓国で巻き起こった「血液型シンドローム」というブームに乗ったもので、B型男性は彼氏にしたくない第一位になって話題になったんだそうだ。
超ワガママで自己中で突飛な行動をするけど格好良くて憎めないB型男・ヨンビン(イ・ドンゴン)が主役で、実際にイ・ドンゴンと付き合っていたというハン・ジヘが純情で小心なハミを演じるラブコメ作品。

話題便乗映画なんだけど、そういう映画にサルサの場面が登場すると言うことは、韓国でもサルサがお洒落で新しいというイメージなのだと確認できただけでもまあいいかと。



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ダンススポーツってなんだ

ダンススポーツって言葉にどんな印象を持ちますか?

競技指向がまるでない私にとっては、ダンスで競ってどうするの? という気持ちから、あまり好きな言葉ではありませんでした(私は自分と踊っていただく相手の満足のためだけに踊ります)。
また、日本における社交ダンスは風営法との関係から、ことさら健全なものであるということを強調しようとしすぎて「スポーツ」と言いたがるのでは? と邪推しています(先人たちの苦労は忍ばれますが)。

そんな私ですが、少し認識を改めることがありました。

アメリカンスタイル社交ダンスの生徒である私ですが、最近、インターナショナルスタイルの教室やサークルにも出入りするようになりました。
アメリカンスタイルを知るには、インターナショナルスタイルを知る必要があると思ったからです。
そこでの苦労話や考えたことは、また追い追い書いていこうと思いますが、やはり体験することでわかることというのはあるもんですね。

その教室の先生が言う「ダンススポーツ」という言葉は、必ずしも「スポーツ=競技」というわけではないのだな、ということがわかってきました。

まだまだ、未熟な私が語るべきことではないかもしれませんが、こんな風に考えてみることにしました。

ダンススポーツのスポーツとは、例えて言うならスポーツカー(レーシングカー)のことなのだな、と。

スポーツカーがその性能を100%発揮できるのは、公道ではなくレース場です。また、スポーツカーを乗りこなすには、テクニックはもちろん、ヘルメットや4点式シートベルトも必要です。

ダンススポーツの特徴はスピードです。風を切るように、フロアを縦横無尽に移動するダンスはやはり気持ちがいいものです(上手に出来ればですが)。

ダンススポーツをスポーツカーと考えるなら、レース場は競技ダンス会場やダンス専用フロア、ヘルメットはダンスシューズかもしれませんし、4点式シートベルトは競技ダンス式のがっちりと固められたホールドかもしれません。

テクニックを身に付けて、装備を調え、しかるべき場所で、持てる力を全て発揮して走る=踊るのは楽しいことでしょうが、日常からは遠い世界にあります。本気でやるには、競技の世界に身を置くしかありません。

ダンススポーツと対極の立場にあるのは、言葉としてはイマイチだと思いますが「パーティダンス」となるでしょう。
パーティダンスを先ほどの例にならってクルマにたとえるなら、もっと日常的に乗るレジャーカーでしょうか。
パーティは公道ドライブ、楽しく走ることと安全運転とを両立させなければなりません。特別なテクニックは必要ないかもしれませんが、快適に走るためには必要なテクニックがあるでしょう。

こう考えると、ダンススポーツの競技者がダンスパーティで頑張りすぎる姿は、公道でスピードを出して走る迷惑車に例えられるかもしれません。威圧感もありますしね。

私には競技指向はまるっきりありませんが、確かにスピードを出してサーキットを走るようなダンススポーツの世界も魅力的です。
そもそも私は「社交ダンスには競技ダンスとパーティダンスの2種類があるのよ」などと平気で言う人がイヤで、そういうもんじゃないだろうという気持ちが多分にあります。
その場で使われるテクニックに多少の差はあれど、同じダンスではないかと。

私はスポーツカーに乗ることはないと思いますが、それでもいざという時アクセルを踏めばサーキットも走れるクルマに乗っていたいと思います。

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ペアダンスの魅力とは

いきなり大上段なタイトルですが、まあ書いてみます。

私はペアダンスもなにもダンスそのものの経験がなく、アメリカンスタイル社交ダンスを習い始めました。
日頃の運動不足解消や、夫婦でやるには良い趣味かなという軽い気持ちからです。
始めてからちょうど2年ほどになりますが、よく続いているなぁとも思う一方、これは完全に一生ものの趣味を手に入れたとも思っています。
要するにもの凄くハマってしまったわけです。

なぜにそれほどハマったかというと、踊るってことが楽しくて面白かったのはもちろん、気持ちよかったんですね、とっても。
その気持ちよさはペアダンスであることが大きいんじゃないかと思っています。

たかだかダンス歴2年程度の私でも、本当に時々、凄ーーく気持ちよくなる瞬間があるのですよ、ペアダンスには。
それは二人のダンスがなにかの拍子でシンクロした時。
この時、ドーパミンだかβエンドルフィンだかなんだか知りませんが、脳内麻薬がドバドバと出ている模様。
いや、ホントに時々、それもわずかな時間なんですけどね。
上手くなればもっと気持ちよくなれるはずと、脳内麻薬を求めて今日もダンス教室に行くのかもしれません(アブナイ)。

でも、この脳内麻薬、多分技術レベルに関係ないのかもと思います。
下手は下手なりに、その時のレベルで満足に踊れれば気持ちいいし、ちょっと上手くなったらなったで、自分の足りないところがどんどん見えてくるし……。

ところで、そんな話をダンス教室のお仲間の女性陣に話したところ、やっぱり同じようなことを思っているみたいです。
中でも女性ながらリーダーも出来る方によると、リーダーとフォロワーでは圧倒的にフォロワーの方が気持ちいいんだそうです。
もちろん相手によるところも多いんでしょうが、頭を空っぽにしてリードを感じながら踊ることが出来た時、それはそれは気持ちいいんだそうです。

なるほど、考えるのではなく感じながらの方が、そりゃ脳内麻薬も活発に分泌されそうですもんね。

正直うらやましい……。さすがに、フォロワーはできないしねぇ(笑)。

でも、リーダーにはリーダーの面白さがあるんです。
リードが通じる楽しさと喜び。
難しいステップのリードが通じるのも嬉しいですが、初めて踊る女性とでもちゃんと踊れる優しいリードができた時もかなり嬉しいもんです。
手持ちの少ないステップ(初心者ゆえ)を上手く組み合わせて、楽しく(飽きさせず)踊ることができた時も嬉しいですね〜。相手の方が喜んでくれたりすると舞い上がります(笑)。

そんなわけで初心者は初心者なりに、リーダーはリーダーなりの、楽しさ面白さ、そして気持ちよさを感じながら、ますますペアダンスが好きになっていく私なのでした。

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『ステップフォード・ワイフ』

映画中ペアダンス重要度:★★☆

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2004年アメリカ
出演:ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック
監督:フランク・オズ
93分

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tv予告編[→Go YouTube]

賛否ある作品でしょうが私は楽しめました。

ストーリーは、バリバリのキャリアウーマン・ジョアンナ(ニコール・キッドマン)は失脚して意気消沈。夫と共に仕事を辞めて、都会から田舎の超高級住宅街・ステップフォードに引っ越して人生をやり直すことに。
しかし、豊かで美しいその町はどこかおかしい。特にそこに住む妻たちが揃いも揃って貞淑で金髪グラマーという“完璧”な妻であることをいぶかしむジョアンナだが、夫ウォルター(マシュー・ブロデリック)はこの町にきてからなぜか急に強きな男に変わっていて……、という話。

1975年に製作されたハリウッド映画『ステップフォードの妻たち』のリメイクだそうですが、私はオリジナルの方もまったく知らず、こちらもなんの前知識もなしに観ました。

ネタバレの感想の前に、ダンスシーンの紹介を。
映画のクライマックスといえるシーンが舞踏会で、主演の二人をはじめ、クリストファー・ウォーケンなども踊ります。
お姫様風ドレスの女性陣にタキシードの男性陣。踊るのはもちろんウィンナワルツです。
パーティでのウィンナワルツはヘジテーションをたっぷりして、盛り上がってきたところで回り始める感じでしょうかね。
ウィンナワルツの次はラテンも、ということで、オールドスタイルなマンボらしきダンスが踊られるのも一瞬見ることができます。
ごく短いダンスシーンですが、完璧なスタイルの舞踏会で、実はこれが大きな意味をもっています。

 

というわけで以下ネタバレ。

ステップフォードの貞淑すぎる妻たちは、実は脳にチップを埋め込まれて洗脳された改造妻だったのです。

彼女たちはみな元々ジョアンナと同じように高い地位でバリバリ働いていた女性ばかりで、この町にきて改造され、夫たちの望む理想的な妻に(美しく貞淑な、家政婦のような娼婦のような)なっているのでした。
そんなことをしたのは、この町を仕切っているクレアとマイクの夫婦。科学者である彼らは屋敷の地下には人体改造装置が。
そして、この町の男たちは「男性協会」という社交クラブに入り秘密を共有しています。それが妻たちが改造されていることで、夫たちは望んで妻たちをそうしたのでした。なぜなら彼らは結婚以来、妻の仕事でもプライベートでも上をいかれ、精神的に隷従する生活に叛乱を起こしたかったから。

無茶な話ですが、そんな秘密(割と冒頭からバレバレですが)がクライマックスで明かされるわけですが、もう一つどんでん返し。
この妻たちの改造をしてきたのはマイク(クリストファー・ウォーケン)の方だと思っていているのですが、実は彼はアンドロイド。クレア(グレン・クローズ)の方がこの計画を考え、実行してきたマッドサイエンティストだったのです。
さらに、改造されてしまったと思われたジョアンナ(改造後は皆、金髪に変わる)でしたが、それは演技で、ステップフォードを壊すために夫とともに一芝居うった、というのが大どんでん返し(というほどの驚きはないけど・笑)。

すべてが明らかになってから、マッドサイエンティストのクレアが言うセリフはこうです。

「私はワルツとシフォンを愛している。男性は強く女性は貞淑な完璧な世界を作りたかったの」

これには私、ちょっと考えさせられました。

シフォンは薄絹のことで要するにドレスってことでしょう。つまり美しい衣装を着て、正しい舞踏会を楽しむような“古き良き”時代のためには、まず強くなりすぎた女性を改造しなければならなかった、ということのようです。

実は私、社交ダンスを始めて以来、舞踏会に代表されるような華やかで美しく、それでいて秩序だった世界に憧れる気持ちが強くあります。
だからといって私には妻(女性)はかくあるべきという気持ちはこれっぽっちもありませんが、社交ダンスの世界は確かに男性が誘い女性は待つ、男性がリードし女性はそれに従う、というイメージのがあることは確かです。必ずしもそうでもないんですけどね(特にリード&フォローは)。
ただ、そんなところをズバッと突かれたような気持ちだったのかも。

まあ、私の感想は、ペアダンスブログということもあっての、ちょっと偏ったもので、普通はもっとフェミニズムとか夫婦のあり方とか、そういうことだと思いますが。

正直、矛盾だらけの妙な作品です。でも、90分と短くまとめられているのは、こうした風刺作品としては正しいありかただと思うし、美しいニコール・キッドマンの回りを固める個性的な役者たちの演技と、美しい屋敷などのセットを見るだけも十分価値のある作品だと思いますよ。

オリジナルはもっとスリラー色の強い作品だそうですが、リメイク版のこちらはコメディ色が前面に出ているのも良かったと思います。
tv1975年版予告編[→Go YouTube]



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目次(映画タイトル)

紹介した映画の目次というか索引(タイトル名あいうえお順・タイトル部分クリックで記事へ)です。随時更新中。
星(★☆)は、映画そのものの評価ではなく「映画中ペアダンス重要度」→評価基準です。

 

ーーーーーーア行ーーーーーー

1950年前後が舞台のアメリカ映画にペアダンスはマスト
あなたに恋のリフレイン』 1991年アメリカ ☆

世界一の男はダンスくらい踊れないとね
アメリカン・プレジデント』 1995年アメリカ ★

アルゼンチンタンゴ映画(リスト)

リアル版『王様と私』も一応、踊ります
アンナと王様』 1999年アメリカ ★★

禁断の恋(笑)はダンスに始まりダンスで締める
ウェディング・プランナー』 1994年アメリカ ★★★

絢爛豪華な19世紀アメリカ社交界のウィンナワルツ
エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』 1995年アメリカ ★★


ーーーーーーカ行ーーーーーー

クラーク・ゲーブルはダンスが苦手だった?
風と共に去りぬ』 1939年アメリカ ★☆

モダン社交ダンスの祖をフレッド・アステアで映画化
カッスル夫妻』 1939年アメリカ ★★★★★

美しい思い出はダンスとともに……
きみに読む物語』 2004年アメリカ ★★★

可愛いサイテー男たちのサルサでロマンス
恋はサルサで!』 2000年イギリス ★★★☆

 

ーーーーーーサ行ーーーーーー

This is ハッスル! みんなで踊ろう!
サタデー・ナイト・フィーバー』 1977年アメリカ ★★★★

フランス発・サルサ映画の草分け的名作
サルサ!』 1999年フランス・スペイン ★★★★☆

実写とアニメーションの融合でサンバ!
三人の騎士』 1944年アメリカ ★☆

ダンスホールとジャズ屋がブンチャカ
上海バンスキング』 1984年日本 ★★

ハリウッド版はよりダンスシーンが楽しめます
Shall we Dance?』 2004年アメリカ ★★★★★

良くも悪くも日本の社交ダンスを描ききった
Shall We ダンス?』 1996年日本 ★★★★★

王子さまと踊っていなかった
白雪姫』 1937年アメリカ

ディズニープリンセスの王道ダンス
シンデレラ』 1950年アメリカ ★★

私も一緒に踊りたい!
スウィング!』(舞台) 2008年来日公演 ★★★★☆

バレエとヒップホップの融合・その2
ステップ・アップ』 2006年アメリカ ★★★☆

最強の社交ダンス普及ツール!
ステップ!ステップ!ステップ!』 2005年アメリカ ★★★★★

“完璧”なワルツ婦人たちには秘密がいっぱい
ステップフォード・ワイフ』 2004年アメリカ ★★☆

バレエとヒップホップの融合・その1
セイブ・ザ・ラストダンス』 2001年アメリカ ★★

ロボット美少女アニメのボックスワルツ
奏光のストレイン』(TVアニメ) 2006年日本 ★★(1話のみ)

 

ーーーーーータ行ーーーーーー

韓流社交ダンス映画の傑作
ダンサーの純情』 2005年韓国 ★★★★

ひと夏の恋はキューバでサルサを
ダンシングハバナ』 2004年アメリカ ★★★★

私もリフトで持ち上げて!
ダンス・ウィズ・ミー』 1997年アメリカ ★★★★★

社交ダンス映画なのに社交ダンスへのリスペクトが無い
ダンス・オブ・ドリーム』 2001年香港 ★★★

ディスコミュージックじゃないビージーズもいいね
小さな恋のメロディ』 1971年イギリス ★

シュワちゃんのワルツはアメリカンワルツ?
ツインズ』 1988年アメリカ ★

幸せな一時の象徴としてのペアダンス
Dearフランキー』 2004年イギリス ★☆

ディズニープリンセス(リスト)

シュワちゃんのタンゴはアメリカンタンゴ?
トゥルーライズ』 1994年アメリカ ★

究極彼氏ヴァンパイアとプロムでチーク
トワイライト〜初恋〜』 2009年アメリカ ★★

 

ーーーーーーナ行ーーーーーー

ダンスパーティのテーマは“ギャツビー”
2番目のキス』 2005年アメリカ ★

ライザ・ミネリ熱唱もデ・ニーロが怖すぎて……
ニューヨーク・ニューヨーク』 1977年アメリカ ★

赤と黒、官能と退廃のアルゼンチンタンゴ
ネイキッド・タンゴ』 1990年アメリカ ★★★★

 

ーーーーーーハ行ーーーーーー

プロムってやってみたい?
バック・トゥ・ザ・フューチャー』 1985年アメリカ ★

花嫁とパパ、ラストダンスはありません
花嫁のパパ 』 1991年アメリカ ★

アステア様のマジカルリードを堪能せよ
パリの恋人』 1956年アメリカ ★★★☆

MGMミュージカル全盛期のアステア代表作
バンド・ワゴン』 1953年アメリカ ★★★

社交ダンスシーンは特に意味無し
HERO』 2007年日本 ☆

韓流トレンド映画に登場するサルサ教室
B型の彼氏』 2005年韓国 ★

社交ダンス教室で人生変えよう
ビューティフルメモリー』 2005年アメリカ ★★★★☆

ボビー・ダーリンの曲はダンスにジャストフィット
ビヨンド the シー 〜夢見るように歌えば〜』 2004年アメリカ ★★

大迫力のペアダンス・スペクタクル!
フロアプレイ』(舞台)2008年来日公演 ★★★★★

真夜中のカウボーイたちのカントリーダンス
ブロークバック・マウンテン』 2005年アメリカ ★

有名な主題歌はカバーで劇中はオリジナルのカントリーでダンス


『ボディガード』 1992年アメリカ ★★

ダンスは言葉の要らないコミュニケーション、さあ踊ろう!
微笑みをもう一度』 1998年アメリカ ★★☆

 

ーーーーーーマ行ーーーーーー

1955年のダンスホールは一大ナンパスポット
マーティ』 1955年アメリカ ★

宮廷での舞踏会の様子がたっぷり見られる
マイ・フェア・レディ』 1964年アメリカ ★★ 

ノリノリのスウィングダンスは名場面
マスク』 1994年アメリカ ★★☆

実写版ディズニープリンセスの謎ワルツ!?
魔法にかけられて』 2007年アメリカ ★★☆

絢爛豪華もなぜか私は楽しめず……
ムーラン・ルージュ』 2007年アメリカ ★★

1920年代バブルをダンスたっぷりミュージカルで
モダン・ミリー』 1966年アメリカ ☆


ーーーーーーラ行ーーーーーー

社交ダンスとヒップホップの融合
レッスン!』 2006年アメリカ ★★★★★

永遠の名作のダンスシーンはサンバかも?
ローマの休日』 1950年アメリカ ★★

田村正和、渾身のワルツ!
鹿鳴館』(TVドラマ) 2008年日本 ★★★★

吸血鬼たちの宮廷舞踏会(笑)
ロマンポランスキーの吸血鬼』 1967年イギリス ★


ーーーーーーワ行ーーーーーー

 

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ペアダンス好きな曲3「Almost Like Being in Love」

「Almost Like Being in Love」は私の通うダンス教室でもよくかかる練習曲の1つ。
また、ジャズ、ポップスのスタンダード曲であり、多くの歌手がカバーしています。

Frank Sinatraなども歌っていますが、今回取り上げるのは、Nat King ColeとNatalie Coleの親子。
同じ曲を親子がそれぞれ歌っていますが、踊るとしたら別のダンスになるという話です。

父・Nat King Coleの歌う「Almost Like Being in Love」ではスウィング(ジルバ、ジャイブ)を踊ります。BPMは46。
娘・Natalie Coleの歌う「Almost Like Being in Love」。こちらはフォックストロット(ブルース)を踊ります。BPMは41。

BPMは曲のテンポを表します。
BPM46は歩くダンスであるフォックストロットには少し速すぎます。
BPM41もフォックストロットには若干速いのですが、許容範囲内です。
曲のテンポはスウィングとフォックストロットを踊り分ける時のポイントの1つですが、テンポの速さがイコール、スウィングとフォックストロットの差ではありません。どちらも幅広いテンポに対応できるダンスなので、フォックストロットよりも遅いスウィングの曲もあります。

最大のポイントは、曲のノリにあります。
歩くダンスであるフォックストロットは流れるようなメロディ、つまり横ノリが、一方ロックステップで踊るスウィングには縦ノリが、それぞれ合っているのです。

父・Nat King Coleの歌う「Almost Like Being in Love」は、軽く明るくスタッカートが効かせて歌っており、演奏も跳ねるようなピアノが印象的です。
娘・Natalie Coleの歌う「Almost Like Being in Love」は、同じく明るく歌っていますが女性らしい柔らかさが特徴で、演奏もブラスが気持ちよさそうにメロディを奏でます。
この曲調の違いが、スウィングとフォックストロットの曲の違いと言えるでしょう。

アメリカンスタイル社交ダンスのフォックストロットには、「スウィングステップ」というステップがあります。
その名の通り、横に揺れる(スウィングする)ステップで、スウィングのベーシックステップに少し似ています。
しかし、スウィングとフォックストロットでは同じようなステップでも若干スタイルが異なるのが正解のようです。
言葉での説明は難しいのですが、スウィングでは肩を入れて掘るような動作。フォックストロットのスウィングステップは大きく外に(斜め上に)行くような動作になります。
スウィングステップは歌いながら揺れる時に自然に出るようなステップですが、スウィングではノリノリなんですが、内に内に入っていくようなノリで、フォックストロットのスウィングステップでは外に外に発散していくようなノリ、という感じでしょうか。
最初はわかりにくかったのですが、2つのダンスの縦ノリと横ノリの違いを踏まえてみると、理解できたように気になっています。

スウィングはジャイブとなってロックンロールで踊ることでもわかるように縦ノリOKですが、フォックストロットは本来縦ノリはなしです。でもパーティなどでは弾むような曲の場合、自然に多少の縦ノリはいいでしょう、と教わったことがあります。

今回は同じ曲でも違うダンスになる例として「Almost Like Being in Love」を紹介しました。
スタンダード曲にはこうした例がたくさんあります。また、いろいろ紹介していきたいと思います。

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ペアダンス好きな曲2「Fly Me To The Moon」

有名な「Fly Me To The Moon」は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で使われたり、宇多田ヒカルがカバーしたりと若い世代にも圧倒的に知名度が高い曲と言えるでしょう。

実は「Fly Me To The Moon」は現在よく聴かれる四拍子の曲ではなく、オリジナルは三拍子のスローワルツだったというのはご存じでしょうか?
私も最近になって知りました。この曲の歴史的経緯についてはこちらが詳しいです。(

三拍子のバージョン、手持ちの曲では私の好きなボビー・ダーリンが歌っていました。BPM30でテンポ的にはまさにワルツなのですが、ボーカルが情感たっぷり過ぎて、ためたりする部分が多く、テンポが取りにくく、踊りにくそうだなという印象。でも一度試してみたいかな。

三拍子の曲を四拍子に変えるってどんなことなのか、こんな遊びをしてみたらちょっとわかってきました。
なんでも歌いやすい三拍子の曲(「エーデルワイス」や「グリーンスリーブス」)を歌いながら、四拍子に変えるのです。三拍子の中にもう一拍入れてやれば、四拍子になるわけですが、それをどこに入れるかがセンスの見せ所。
やはりジャズっぽく、シンコペーションを効かせたり、スタッカートにしたりすると格好良く四拍子にすることができます。
二人でやるとメロディ担当とパーカッション担当で結構楽しいですよ。口ジャズセッションです(笑)。

ジャズは格好良くて心地いいですから、三拍子の曲を四拍子に編曲したものは、ジャズテイストのものが多いのかもしれませんね。

1つ前に書いた「シャレード」のボビー・ダーリン版も、ムーディーな三拍子のオリジナル版を、スピード感豊かなスウィングジャズの曲に変えたものでした。

「Fly Me To The Moon」も、オリジナル(1954年)で作られたムード豊かなスローワルツが、1962年にボサノバ風にリメイクされたことで大ヒットしました。
ボサノバはサンバにジャズのテイストを加えたものですから、ジャズ編曲で三拍子から四拍子にというパターンです。

かくして、さまざまな歌手によってカバーされ、さまざまなバージョンが登場した「Fly Me To The Moon」。
私のiTunesにも、検索したところ30曲以上入っていました(ってほとんどエヴァンゲリオンのバージョン違いなんだけど・笑)。

「Fly Me To The Moon」を歌っている歌手は、私の手持ちだけでも、

Frank Sinatra、Diana Krall、Nancy Wilson
Nat King Cole、Louis Armstrong
Julie London、Bobby Darin
高橋洋子、Aya、宇多田ヒカル

などがいます。
試しにiTunes Storeで検索したら150曲以上出てきました。
ジャズ、ポップスのスタンダードとしてこれからも歌い継がれていく名曲と言えるでしょう。

「Fly Me To The Moon」はフォックストロット、スウィング、またボサノバ色が強いものではサンバなどが踊れます。

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ペアダンス好きな曲1「Charade」

映画&ペアダンスブログですが、音楽についても書いていきます。
一回目はダンスを始めて大好きになった曲「シャレード」です。

同名映画『シャレード』(Charade)は1964年の作品で、オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラント主演によるミステリー・サスペンス。
お洒落で小粋な映像と会話でテンポ良く、そして最後までハラハラさせる展開の続く傑作映画です。
ただ、『シャレード』はダンス映画ではなく、ダンスシーンもありません。

曲を作ったのはヘンリー・マンシーニ。
『ピンクパンサー』のテーマ曲などで知られる作曲家で、『ティファニーで朝食を』でヘップバーンが歌った『ムーン・リバー』は特に有名です。彼の曲はとにかくメロディがユニークで、一度聴いたら忘れられないような曲が多いのが特徴です。

「シャレード」は三拍子の曲で、社交ダンスではワルツやウィンナワルツで使われるます。
また、「シャレード」はスタンダードナンバーであり、さまざまな歌手によってカバーされています。
私の手持ちでは、アンディ・ウィリアムスが歌っているものはBPM31でワルツにピッタリ。
もうひとつ持っていた映画音楽大全集のようなイージーリスニングの曲ではBPM66でウィンナワルツとしてもちょっと速めのテンポ。

私はそうしたカバー曲を先に聴いていて、曲に興味をもったので映画を観てみたわけですが、映画中の同曲はちょっと意外でした。

オリジナル、つまり映画本編で使用されている「シャレード」は3種類あって、お洒落なタイトルアニメーションと共に流れる「Main Title」バージョンは、サンバのようなパーカッションが入った不思議な雰囲気の編曲。ワルツもウィンナワルツも雰囲気的には違う印象です(BPM41)。

ボーカル入りのバージョンは、男性コーラスによる渋くて暗い印象で、速さ的にはワルツがいけますが(BPM29)、ちょっと雰囲気がいまいちかも。

最後の一曲は「Carousel」というバージョンで、つまり回転木馬(メリーゴーランド)のこと。劇中の公園(移動式の遊園地が来ている)のシーンで使われます。速い3拍子(BPM64)でギリギリ、ウィンナワルツが行けるでしょうか。

とまあ、このようにオリジナルの曲ではわりと踊りにくそうだなというのが意外でした。
オリジナルは三拍子ですが、これを四拍子にしたバージョンもあります。

ボビー・ダーリン(Bobby Darin)の歌う「Charade」はスウィングジャズ編曲になっていて(超カッコイイ!)、テンポも速く(BPM65)、私はこれでクイックステップを踊りたいのですが、ちょっと速すぎるかもしれません。
この曲は好きすぎて、私のiTunesでは再生回数が極端に多い一曲になっています。

ダンスがきっかけで曲が好きになり、歌っているアーティストや使われていた映画に興味を持つということも増えています。
ダンスは確実に人生を豊かにしてくれる趣味だと、改めて思いますね。

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試写会『グラン・トリノ』

ダンスには関係ない映画ですが試写会で観てきたので感想を。

私は特にクリント・イーストウッドに思い入れはなく、特にバンバンと人を撃ち殺しちゃうような映画はあまり好きではなかったのですが、そうしたことを踏まえて見ると一段と感動的なラストシーンになると思います。

以下、若干ネタバレ。

というのも、いろいろあって悪党どもをなんとしなければならない、となった時、最初に彼がとった行動は従来通りの力による解決でした。
しかし、暴力は連鎖します。結果、彼のとった行動は、大事な友人の姉への報復(レイプ)という最悪の結果を招いてしまうことに。
彼は自分のしたことを悔やみ、そして考え抜いてとった行動は自分の命を犠牲にして暴力の連鎖を止めることでした。すでに死期を悟っていた彼にとって最善の行動だったのでしょう。
悲しみは残りましたが、問題は解決しました。

俳優としてのイーストウッドは今作で引退だそうです。暴力を否定して劇中で死んだ彼に、これまでの俳優人生を重ね合わせて見た人も多いでしょう。
最後に行き着いた結論、人生の回答としての作品、というように私は捉えました。
共感がより大きな悲しみを呼び、非常に感動させてくれた作品です。
実際、試写会会場(九段会館大ホール)でも、最後はすすり泣きが聞こえてきました。

私は映画館での他の人の反応に敏感な方なのですが、映画の前半では私が感じている以上に、皆さん楽しんだようで、軽いお笑いシーンにも結構反応よく、笑い声も多く聞かれました。

『グラン・トリノ』オススメです。

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『モダン・ミリー』

映画中ペアダンス重要度:☆

51d6zo3g4ol_sl500_aa240_ 1966年アメリカ
出演:ジュリー・アンドリュース、ジェームズ・フォックス
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
138分

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1920年代を舞台にモダンガールとなったミリーが大活躍。
お洒落で楽しいミュージカルで、後に舞台化も。

1920年代といえば第一次大戦が終わり、1929年の世界大恐慌までは要するにバブルである。田舎から出てきたミリーも髪を短く切ってあっという間に“モガ”に変身。仕事は玉の輿に乗るための手段と割り切る、まさにバブルOL。

ジュリー・アンドリュースの歌やタップがたっぷりのまさにエンターテインメント作品だが、ペアダンスシーンは少ない。
ホテルでのダンスパーティでも、踊られるのは不思議な即興ダンス(?)。
バブル的享楽の雰囲気には社交ダンス的なペアダンスはそぐわないのかもね。

楽しい(雰囲気の)映画ではありますが、私にはさほど面白くなかったなぁというのが正直な感想(笑)。

 

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『奏光のストレイン』(アニメ)

ペアダンス重要度:★★(1話のみ)

31tshzar1al_sl500_aa192_ 2006年日本
出演:川澄綾子、近藤隆
監督:渡邊哲哉
全13話(DVD全7巻)

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1話目から人がどかどか死ぬという、イヤな感じの“SF美少女メカアクション”アニメ。
DVDの巻数表記が「waltz.I」となっていたり、最終話のサブタイトルが「ラスト・ワルツ」だったりと、ちょっとダンスをモチーフに使っているっぽい。
私はTV(BS11で放映中)で1話を見ただけだけど、もういいやと思ったので、作品への評価はまったくできない。

その第1話でのペアダンスの場面は二ヶ所。

主人公の少女時代(11歳)に大好きなお兄様(後に裏切られて仇敵となる)と踊るワルツの場面。
「上達したな」とやさしく語る兄に、主人公の少女が「基本のボックスステップくらいはね」みたいなことを言う。確かにワルツのレフトボックスに足が動く描写が。テンポは速めだが、棒みたいな足と体が動くだけなので、ちっとも優雅じゃないのが残念。

もう1つは、成長した主人公(16歳)が、彼女に思いを寄せる同級生(直後に戦死!)と踊るたぶんワルツ。やっぱりボックスステップみたいな動き。こちらも棒立ちなのも同じ。

まあそれだけの場面だが、一応制作スタッフがワルツの基本ステップだけでも調べて作っているので偉い!と言っておこう。できれば、スウェイ(傾き)やライズ&フォール(上下動)などの動作も描写できれば、ずいぶんと踊っている感じになっただろうから、そこは残念だが、とにかく一応でもワルツを描写できたのはよかった。

日本の特にオタク向け文化の中で描かれるダンスシーンは、知らない者が知らない者に向けて作っているため、曖昧な描写が多い。
まあ、誰も正確な描写など期待していないのだろうから、それでもいいのだと言えばそれまでだが、やる気のあるアニメーション作家なら、例えばアクションシーンのために殺陣を研究するように、ダンスシーンのためにダンスを習えとは言わないが映像を見るくらいはしてもいい。
自分たちの作っているものが電気紙芝居でないと思うならなおさらだ。
そういう点で、『奏光のストレイン』第1話の作画スタッフは最低限の仕事をしたと思う。まあ本当に最低限だけど。

作品のことにまるで触れませんが、当ブログの使命は作品中のペアダンスシーンを紹介することのみ。
作品のファンの方には申し訳ないが、そういうわけでご了解を。


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メルマガ「コミュニ♪ダンス」

私の通うアメリカンスタイル社交ダンスの教室「JSDC」の発行するメールマガジン「コミュニ♪ダンス」に、当ブログを紹介していただきました。

私はこのメールマガジンが好きで毎月の発行を楽しみにしています。
毎号、ちょっとしたコラムなどを読めるほか、教室のイベントの案内などが載っています。
レッスン生でなくてもペアダンスに興味のある方は楽しめる内容だと思います。

登録はこちらから。もちろん無料で、メールアドレス以外の個人情報は必要ありません。

まぐまぐ!「コミュニ♪ダンス」
http://archive.mag2.com/0000146720/index.html

 

 

それにしても、社交ダンス教室でメルマガを定期発行しているような教室、いくつあるでしょうか?
私は教室を探す時、インターネットで検索して、通える範囲で、かつ一番ネットに情報が出ている教室を選びました。
そういう人、多分多いと思うんですが、多くの社交ダンス教室ではホームページを持っていればいい方で、あったとしても掲載されている情報は不十分なところが多いと思います。
「ケイコとマナブ」もいいかもしれませんが、社交ダンス界は若い人に興味をもってもらうためにも、もっとネットを活用すべきだと思います。
というか、もしかして日本の社交ダンス界はネットで調べてくるような層を相手にしていないのかも……。

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ワルツの本場はアメリカ?

社交ダンスの本場はヨーロッパ、それもイギリスこそが本家本元と思われていますが、ダンスの歴史をひもとくと必ずしもそうではないことがわかります。
それどころか、イギリスはあくまで社交ダンスのルールの整備を行っただけで、社交ダンスで踊られるダンス種目はすべてイギリス国外のダンスなのですね。

ワルツは、ヨーロッパ各地で踊られていた三拍子のダンスがオーストリアでウィンナワルツとなって各国に広まりました。
そのウィンナワルツが1910年頃にアメリカに渡り、ゆったりとしたリズムで簡単に踊れるようにしたのが「ボストンワルツ」というダンスだそうです。それを1920年頃イギリスの社交ダンス教師協会が社交ダンスの種目に採用したことで、今日のワルツがあるんだそうです。

アメリカ映画を観ると、町の酒場やダンスホールでカウボーイハットの男女が踊るワルツの場面がよく登場します。
カントリーの曲でも三拍子の曲は結構あって、例えば「テネシーワルツ」とか。
YouTubeでアメリカンスタイルのダンス競技会を見てもカウボーイハットのワルツはよく見つかります。
ワルツにカウボーイハット??と社交ダンスのイメージからするとどうかと思われるでしょうが、結構格好いいですよ。

ウィンナワルツはボストンワルツ(=ワルツ)の流行により、いったん廃れますが(いや、もちろんウィーンの社交界などでは踊られていたのでしょうが)その後1940年代(60年代説も)に競技ダンスの正式種目に採用され、今日に至っているそうです。

ヨーロッパ文化の代表のように思われているワルツですが、実はいったんアメリカに渡ってから逆輸入されたというわけです。

音楽でもそうですが、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカという場所では、さまざまなものが出会って融合して化学変化を起こすようにして新たな文化が生まれたんですね。
ジャズやロックは、さまざまな人種のさまざまな音楽がルーツとなってアメリカで誕生した音楽です。同じようにダンスもアメリカで誕生・変化したものが多いのですね。

(インターナショナルスタイルの)競技ダンスで踊られる10種類のダンス(テンダンス)では、まず前述のワルツがそうです。
ボストンワルツが元になった現在のワルツは、ウィンナワルツの半分のテンポで踊れるようになりました。

クイックステップやスローフォックストロットも、ジャズ音楽で踊るアメリカ生まれのダンスです。元々フォックストロットとして1つだったダンスを、テンポの速い遅いで2つに分けてダンス競技種目としたのだそうです。
アメリカンスタイル社交ダンスではフォックストロットの名で現在も踊られています。ブルースもまたこのフォックストロットの中に含まれるダンスです。

ジャイブもまたスウィングジャズにのって踊るアメリカのダンスです。
アメリカンスタイル社交ダンスでは、ジャイブもジルバも、またリンディホップやバルボアなども総称してスウィングという名で踊られています。曲調や自分の技量によってジルバのように簡単なステップで踊ったり、ジャイブのようにトリプルステップで素早く踊ったりするわけです。

チャチャチャもアメリカのダンスと言っていいかもしれません。
発祥はキューバです。ルンバにしてもサルサ・マンボにしてもキューバ音楽が元になったダンスですが、アメリカで発達したダンスとも言えます。
まずマンボのブームがあって、そのマンボのステップに1つシンコペーションを加えたのがチャチャチャと言われています。
チャチャチャ、マンボ、そしてサルサはニューヨークのプエルトリカンたちによって原形が作られたと言ってもいいでしょう。
チャチャチャはイギリスで競技種目として迎えられましたが、マンボはそうなりませんでした。しかし、その後サルサとして独自に発展し、現在の隆盛があるのです。

テンダンスのうち5つまでがアメリカ経由のダンスということになります。このようにアメリカは現在のダンス種目に多様な影響を与えた国なのです。
実はもうひとつ、ペアダンスの誕生・発展に大きく寄与している国がフランスです。この話はまた別の機会に。

アメリカンスタイル社交ダンスを考える上で、アメリカとペアダンスの歴史を見直すと、実はアメリカこそがペアダンス大国と思えてきました。
日本での社交ダンスのイメージはイギリスに直結するのでしょうが、別の見方もあるのだ、ということが言いたくて長々と書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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『昴』全11巻 『MOON』現在第3巻

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MOON 3 (ビッグコミックス) (コミック)
曽田 正人 (著)
小学館 540円
発売日: 2009/3/30

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曽田正人作品はどれも好きですが、この『昴』シリーズはスゴイ! 凄すぎる!
ここまで作品世界に引き込まれるマンガはそうはありません。

『昴』のクライマックスの1つ「ボレロ」のシーンで実際に曲を聴きながら読んでみたところ、異常なまでに盛り上がりました(トランス・笑)。
心が揺さぶられると言いますが、この作品では何度も何度も、ガツンと心を打たれ、ざわざわと胸騒ぎが止まらず、時に涙腺がドバッと開きます。

私はただのペアダンス愛好家で、バレエにはまるで詳しくないのですが、実はバレエというジャンルへの畏敬の念は強く持っています。
身体能力と表現力、ダンスというジャンルの中で間違いなく最強なのがバレエダンサーという人種なのだと思っているわけです。

およそダンスの基本と言われるものにはバレエの要素が多分に含まれており、社交ダンスも例外ではありません。
バレエの基礎を習得した人は佇まいからして違います。ましてや動いてみれば違いは一目瞭然。
40目前のおっさんが思わずバレエ教室に通っちゃおうか、と思い詰めてしまうのは、バレエの力だと思います。

『MOON』は『昴』の続編で、盲目のダンサー・ニコをパートナーに得てのペアダンス(パ・ド・ドゥ)が作品の大きな見どころです。
ペアで踊るということの描写がとにかく深く素晴らしく、当ペアダンス・ブログでも紹介させていただいたわけです。

続きが楽しみで堪らない作品ですが、同時にとんでもない不幸な結末が待っていそうで怖い怖い作品でもあります。あー楽しみだー。

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『ブロークバック・マウンテン』

映画中ペアダンス重要度:★

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2005年アメリカ
出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール
監督:アン・リー
134分

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劇場に観に行ってもいいなぁと思っていたけど、結局行かず、今頃になってDVDにて鑑賞。
期待してみたが、期待に違わぬ良い映画だった。
第一に美しい映画だと思う。淡々とした描写が多く、無理に引っ張るようなストーリーはないが、美しい映像となにより主演の二人の演技力で魅せる作品。

映画そのものについては、ここでは語らない。あくまで当ブログは映画の中のダンスシーンを紹介するのがテーマ。
『ブロークバック・マウンテン』の中のダンスシーンは数カ所あるが、重要なシーンではないし、なによりイニスとジャックは踊らない(残念・笑)。

ダンスシーンはどれも酒場で踊られるもので、カウボーイは意外とダンス好きっていうことがアメリカ映画を観ているとよくわかる。
踊られるダンスはカントリーダンス。
カントリーダンスはカントリーミュージックで踊るダンスで、なんとなくアメリカ中西部や南部という田舎のイメージがあるけど、実態はもっと幅広いもののようだ。カントリー・バーやホンキートンクと言われる酒場には必ずビリヤード台とダンスホールがあるのだそうだ。

カントリーダンスにはラインダンスとペアダンスがあって、ラインダンスは振り付けで踊り、ペアダンスには「ツーステップ」という代表的なダンスのほかワルツ、スウィング、チャチャ、ポルカ、チークダンスなどがあるんだそうだ。

ラインダンスは、例えば西部開拓時代が舞台の『バックトゥザフューチャーPART3』や『風と共に去りぬ』など見ることができる。
ペアダンスも『微笑みをもう一度』ではスウィング、『ツインズ』ではワルツを見ることができる。
『ブロークバック・マウンテン』でも、ポルカやワルツが見て取れる。
要するに、アメリカの田舎で踊られるダンスシーンの多くはカントリーダンスというくくりに入るわけだ。

アメリカでペアダンスといった場合、都会では社交界の舞踏会以来の社交ダンス的なものが、田舎ではカントリーダンスがあって、全米各地ではそれが適度に混じり合ってその世界をなしているのではないかな。
私はたまたま社交ダンス的な視点で、アメリカ映画の中のダンスを捉えようとして、これはスウィングかフォックストロットか?みたいなことを延々と書いてきたけど、カントリーダンスだと言ってしまえば解決なのかも(笑)。

私が習っているアメリカンスタイル社交ダンス。その「アメリカンスタイル」というのは競技スタイルの対比(インターナショナルスタイルと対)としての言葉だが、それは狭義のものにすぎないんじゃないのかな、と最近思う。
アメリカの歴史の中で、移民や奴隷が持ち寄ったさまざまなダンスと音楽が混じり合い、新しい音楽(ジャズやロック)とともに新しいダンスを生み、高め合い熟成されていったもの……。それがアメリカンスタイルのダンスで、そこにはアメリカ的な多様性と自由が含まれているでは、とちょっと頭でっかちではあるがそんなふうに思う。

社交ダンスの世界ではあまりにもスタンダード(規範という意味で使用)をイギリスに求めすぎている。そりゃ確かに競技ダンスとしてのルールブックはイギリス人がまとめたし、それによって社交ダンスは世界に広まったのかもしれないけど、ダンスそのものの持っていた多くのものを殺してきた歴史でもあるのでは、と楽しそうに踊る人々(例えばカントリー・バーで踊るアメリカ人、結婚パーティで踊るフランス人、タンゴフェスで踊るアルゼンチン、朝の公園で踊る中国人)を見ているとそんなことを思ったりする。

踊るという行為を多くの人たちから遠ざけてしまうようなダンスは罪だと思う。競技などを通じて高みを目指していくことはジャンルにとって大事なことだと思うが、同時に入り口は広く敷居は低く底辺は広くなければならないと思う。
たぶん、こんな状況は日本だけのことなのかもしれませんが。

参考
カントリーダンスとは?
カントリー音楽とカントリーダンス

 

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「ball」の語源

先日、ネットをさまよっていたら「ballroom dance」の〈ball〉とは足の裏のボール(親指の付け根部分。ダンスではよく使う言葉)のことで、社交ダンスはこのボール部分をよく使うから「ballroom dance」になった……、みたいなことが書いてあって、うーんそりゃ違うんじゃないの〜と思ったけれど、確たる自信もなくモヤモヤしていたのでした。

で、気になって調べてみたところ、〈ball〉の語源が2つあることが誤解の原因では、とわかってきました。
というわけで、調べた成果を発表〜!

まず、現在〈ball〉には2つの意味があって、一つが野球やサッカーのボール。球状のもの、玉や鞠のことです。また、そこから派生した言葉として「バカな!」とか「蛮勇」とかにも口語的に使うそうです。

で、二つ目が舞踏会、ダンスパーティのことです。こちらにも派生語があって「とても楽しい時」という意味で使うことも(a ball)。

球体の〈ball〉の方の語源は、もともと古代ノルウェー語の〈bollr〉で、これが中世英語に入って〈bal〉となり、そこから近代英語の〈ball〉が生まれたとか、古英語の beall(=球)に由来するとか、いくつかの説があるようです。同じ語源を持つ単語に〈balloon〉(=気球、風船)などがあります。

舞踏会の方の〈ball〉の語源は、ギリシャ語の〈ballizein〉(=踊る)が、まず後期ラテン語に入って〈ballare〉となり、そこから古代フランス語の〈baler〉を経て英語に入ったとのことです。〈ballet(バレエ)も同じ語源です。

そういうわけで、まったく同じ綴り、同じ発音の単語でも、複数の意味がある場合、それぞれの意味が異なる語に由来していることもあるんだそうです。

「ballroom dance」の〈ball〉はあくまで踊るという意味で、ballroomは舞踏室、ballroom danceは舞踏室で踊るダンスということ。
足の「ball」は要するに肉球的な意味での〈ball〉で、踊りとは無関係。
以上、2つの〈ball〉は無関係、という 結論なのでした。


ついでに・ちなみに……
・〈bowl〉は綴りも発音も違いますが、鉢状のもののほか、ボウリングなどの球の意味もあります。ballとbowlはたまたま(シャレ?)似てるだけ。
鉢形から円形の競技場や劇場などもbowlと言いますから、なんとなくこれもballroomとかぶりますけどまったく無関係。

・現代フランス語で「bal(バル)」は、踊りやダンスパーティ、またダンスが踊れるお店のことだそうですが、お隣のスペインの「バル」はいわゆる「BAR」のことで朝食から夜は居酒屋にもなるお店のこと。つまり全然別語源の関係ない言葉ですが、どちらも楽しそうな場所ではありますね(笑)。

・「ボール紙」のボールは、製本屋さんが表紙用に四角切った板紙の〈board〉をボールと訛ったことから生まれた日本製の言葉だそうです。

参考:エッセイ「語源の楽しみ」石井米雄名誉教授(神田外語大)

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