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『ステップフォード・ワイフ』

映画中ペアダンス重要度:★★☆

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2004年アメリカ
出演:ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック
監督:フランク・オズ
93分

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tv予告編[→Go YouTube]

賛否ある作品でしょうが私は楽しめました。

ストーリーは、バリバリのキャリアウーマン・ジョアンナ(ニコール・キッドマン)は失脚して意気消沈。夫と共に仕事を辞めて、都会から田舎の超高級住宅街・ステップフォードに引っ越して人生をやり直すことに。
しかし、豊かで美しいその町はどこかおかしい。特にそこに住む妻たちが揃いも揃って貞淑で金髪グラマーという“完璧”な妻であることをいぶかしむジョアンナだが、夫ウォルター(マシュー・ブロデリック)はこの町にきてからなぜか急に強きな男に変わっていて……、という話。

1975年に製作されたハリウッド映画『ステップフォードの妻たち』のリメイクだそうですが、私はオリジナルの方もまったく知らず、こちらもなんの前知識もなしに観ました。

ネタバレの感想の前に、ダンスシーンの紹介を。
映画のクライマックスといえるシーンが舞踏会で、主演の二人をはじめ、クリストファー・ウォーケンなども踊ります。
お姫様風ドレスの女性陣にタキシードの男性陣。踊るのはもちろんウィンナワルツです。
パーティでのウィンナワルツはヘジテーションをたっぷりして、盛り上がってきたところで回り始める感じでしょうかね。
ウィンナワルツの次はラテンも、ということで、オールドスタイルなマンボらしきダンスが踊られるのも一瞬見ることができます。
ごく短いダンスシーンですが、完璧なスタイルの舞踏会で、実はこれが大きな意味をもっています。

 

というわけで以下ネタバレ。

ステップフォードの貞淑すぎる妻たちは、実は脳にチップを埋め込まれて洗脳された改造妻だったのです。

彼女たちはみな元々ジョアンナと同じように高い地位でバリバリ働いていた女性ばかりで、この町にきて改造され、夫たちの望む理想的な妻に(美しく貞淑な、家政婦のような娼婦のような)なっているのでした。
そんなことをしたのは、この町を仕切っているクレアとマイクの夫婦。科学者である彼らは屋敷の地下には人体改造装置が。
そして、この町の男たちは「男性協会」という社交クラブに入り秘密を共有しています。それが妻たちが改造されていることで、夫たちは望んで妻たちをそうしたのでした。なぜなら彼らは結婚以来、妻の仕事でもプライベートでも上をいかれ、精神的に隷従する生活に叛乱を起こしたかったから。

無茶な話ですが、そんな秘密(割と冒頭からバレバレですが)がクライマックスで明かされるわけですが、もう一つどんでん返し。
この妻たちの改造をしてきたのはマイク(クリストファー・ウォーケン)の方だと思っていているのですが、実は彼はアンドロイド。クレア(グレン・クローズ)の方がこの計画を考え、実行してきたマッドサイエンティストだったのです。
さらに、改造されてしまったと思われたジョアンナ(改造後は皆、金髪に変わる)でしたが、それは演技で、ステップフォードを壊すために夫とともに一芝居うった、というのが大どんでん返し(というほどの驚きはないけど・笑)。

すべてが明らかになってから、マッドサイエンティストのクレアが言うセリフはこうです。

「私はワルツとシフォンを愛している。男性は強く女性は貞淑な完璧な世界を作りたかったの」

これには私、ちょっと考えさせられました。

シフォンは薄絹のことで要するにドレスってことでしょう。つまり美しい衣装を着て、正しい舞踏会を楽しむような“古き良き”時代のためには、まず強くなりすぎた女性を改造しなければならなかった、ということのようです。

実は私、社交ダンスを始めて以来、舞踏会に代表されるような華やかで美しく、それでいて秩序だった世界に憧れる気持ちが強くあります。
だからといって私には妻(女性)はかくあるべきという気持ちはこれっぽっちもありませんが、社交ダンスの世界は確かに男性が誘い女性は待つ、男性がリードし女性はそれに従う、というイメージのがあることは確かです。必ずしもそうでもないんですけどね(特にリード&フォローは)。
ただ、そんなところをズバッと突かれたような気持ちだったのかも。

まあ、私の感想は、ペアダンスブログということもあっての、ちょっと偏ったもので、普通はもっとフェミニズムとか夫婦のあり方とか、そういうことだと思いますが。

正直、矛盾だらけの妙な作品です。でも、90分と短くまとめられているのは、こうした風刺作品としては正しいありかただと思うし、美しいニコール・キッドマンの回りを固める個性的な役者たちの演技と、美しい屋敷などのセットを見るだけも十分価値のある作品だと思いますよ。

オリジナルはもっとスリラー色の強い作品だそうですが、リメイク版のこちらはコメディ色が前面に出ているのも良かったと思います。
tv1975年版予告編[→Go YouTube]



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