カテゴリー「[社交ダンス/競技ダンス]」の記事

ワルツの本場はアメリカ?

社交ダンスの本場はヨーロッパ、それもイギリスこそが本家本元と思われていますが、ダンスの歴史をひもとくと必ずしもそうではないことがわかります。
それどころか、イギリスはあくまで社交ダンスのルールの整備を行っただけで、社交ダンスで踊られるダンス種目はすべてイギリス国外のダンスなのですね。

ワルツは、ヨーロッパ各地で踊られていた三拍子のダンスがオーストリアでウィンナワルツとなって各国に広まりました。
そのウィンナワルツが1910年頃にアメリカに渡り、ゆったりとしたリズムで簡単に踊れるようにしたのが「ボストンワルツ」というダンスだそうです。それを1920年頃イギリスの社交ダンス教師協会が社交ダンスの種目に採用したことで、今日のワルツがあるんだそうです。

アメリカ映画を観ると、町の酒場やダンスホールでカウボーイハットの男女が踊るワルツの場面がよく登場します。
カントリーの曲でも三拍子の曲は結構あって、例えば「テネシーワルツ」とか。
YouTubeでアメリカンスタイルのダンス競技会を見てもカウボーイハットのワルツはよく見つかります。
ワルツにカウボーイハット??と社交ダンスのイメージからするとどうかと思われるでしょうが、結構格好いいですよ。

ウィンナワルツはボストンワルツ(=ワルツ)の流行により、いったん廃れますが(いや、もちろんウィーンの社交界などでは踊られていたのでしょうが)その後1940年代(60年代説も)に競技ダンスの正式種目に採用され、今日に至っているそうです。

ヨーロッパ文化の代表のように思われているワルツですが、実はいったんアメリカに渡ってから逆輸入されたというわけです。

音楽でもそうですが、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカという場所では、さまざまなものが出会って融合して化学変化を起こすようにして新たな文化が生まれたんですね。
ジャズやロックは、さまざまな人種のさまざまな音楽がルーツとなってアメリカで誕生した音楽です。同じようにダンスもアメリカで誕生・変化したものが多いのですね。

(インターナショナルスタイルの)競技ダンスで踊られる10種類のダンス(テンダンス)では、まず前述のワルツがそうです。
ボストンワルツが元になった現在のワルツは、ウィンナワルツの半分のテンポで踊れるようになりました。

クイックステップやスローフォックストロットも、ジャズ音楽で踊るアメリカ生まれのダンスです。元々フォックストロットとして1つだったダンスを、テンポの速い遅いで2つに分けてダンス競技種目としたのだそうです。
アメリカンスタイル社交ダンスではフォックストロットの名で現在も踊られています。ブルースもまたこのフォックストロットの中に含まれるダンスです。

ジャイブもまたスウィングジャズにのって踊るアメリカのダンスです。
アメリカンスタイル社交ダンスでは、ジャイブもジルバも、またリンディホップやバルボアなども総称してスウィングという名で踊られています。曲調や自分の技量によってジルバのように簡単なステップで踊ったり、ジャイブのようにトリプルステップで素早く踊ったりするわけです。

チャチャチャもアメリカのダンスと言っていいかもしれません。
発祥はキューバです。ルンバにしてもサルサ・マンボにしてもキューバ音楽が元になったダンスですが、アメリカで発達したダンスとも言えます。
まずマンボのブームがあって、そのマンボのステップに1つシンコペーションを加えたのがチャチャチャと言われています。
チャチャチャ、マンボ、そしてサルサはニューヨークのプエルトリカンたちによって原形が作られたと言ってもいいでしょう。
チャチャチャはイギリスで競技種目として迎えられましたが、マンボはそうなりませんでした。しかし、その後サルサとして独自に発展し、現在の隆盛があるのです。

テンダンスのうち5つまでがアメリカ経由のダンスということになります。このようにアメリカは現在のダンス種目に多様な影響を与えた国なのです。
実はもうひとつ、ペアダンスの誕生・発展に大きく寄与している国がフランスです。この話はまた別の機会に。

アメリカンスタイル社交ダンスを考える上で、アメリカとペアダンスの歴史を見直すと、実はアメリカこそがペアダンス大国と思えてきました。
日本での社交ダンスのイメージはイギリスに直結するのでしょうが、別の見方もあるのだ、ということが言いたくて長々と書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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「社交ダンスの定義」に全面賛成

世界ダンス議会(World Dance Council)という団体の定めている「社交ダンスの定義」は、次のようなものだそうです。

●パートナーチェンジの思想
 相手を変えても踊ることができる

●ノーシークエンス(ルーチン無し)思想
 即興の振付でも、リード&フォローで踊ることができる

●オリジナルミュージック思想
 初めて聴く曲でも、テンポの遅早があっても、踊ることができる

●日常生活の延長線上思想
 場所や衣装や靴が、特別のものでなくとも踊ることができる →Wikipediaより

おお!? これ素晴らしいじゃないですか!
社交ダンスがほかのダンスと違う点、また優れている点が、ここにすべて表されていると思います。

しかし、こんなにハッキリと定義されているのに、どうも社交ダンスの世界は逆へ逆へ行っているように思うのはなぜなんでしょうか?
問題はいろいろあると思いますが、競技ダンス・ダンススポーツ以外にもっと価値観を見いだすべきなんじゃないかと思います。

ただ、現状、社交ダンス愛好者が日常的な楽しみとして踊れる場というのが、あまりに少なすぎるんじゃないかと。
昔は全国にダンスホールが3,000ヶ所もあったとか(昭和30年代?)。今は社交ダンス用のダンスホールなんて全国にいくつありますか? 両手の指の数で足りるくらいじゃないですか。
社交ダンス愛好家はシニア層が中心とは言え、全国に何十万人もいるそうです(一説には何百万?シンジラレナイ)。
日々、ダンス教室や地域のサークルなどで踊っている方が多いのでしょうが、私はせっかく習ったダンスでもっと遊びたい(遊びに行きたい)のですよ。

前から思っていることがあるんですけど、「歌」って楽しいじゃないですか。太古の昔から人間は歌って踊って、楽しい時・悲しい時を過ごしてきたと思うんですよ。
それがいつの頃からか、歌はまだしも「踊る」ということが極端に減ってしまっているのでは、と。

賛否あると思いますが、カラオケってやっぱり偉大な発明だと思うんです。気楽に誰でも歌う行為を楽しめる装置ですからね。
ダンスにもこのカラオケに匹敵するような発明が必要なんじゃないかと思います。それがなにかって言われたらわからないんですけど(わかったら発明王ですよ・笑)。

それでも1つだけ夢想するのは、既存のダンス教室が頑張ることです。
社交ダンスってマイナーな趣味だと思われていますが、どこの駅前にも大概1つや2つ、多ければ4つも5つもダンス教室の看板を見つけることができます。

こういうダンス教室では毎日レッスンが行われ、また時々ダンスパーティが行われています。
でも、ダンス教室のパーティはそこの生徒さんが参加するためのもので、誰でも気軽に参加できるというものではないのではと思います。

でも、こうしたダンス教室が(できれば連係して)日常的にダンスパーティを開くことで、毎日とは言わなくても、毎週末くらいはフラッと踊りに(遊びに)行けるような状況にできないものでしょうか。せっかく良い立地にスペースを持っているんだし。

いろんなところでいろんなパーティが開かれれば、雰囲気も、料金も、踊れるダンスの種類も、好きなパーティを選べるようになるのでは、と。

そんな夢想をしつつ、日本の社交ダンス、この先どうなる?と思ったりしている今日この頃です。

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『カッスル夫妻』

映画中ペアダンス重要度:★★★★★

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1939年アメリカ
出演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース
監督:H.C.ポッター
89分

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今日、宝物が一つ増えました。先日買ったDVD『カッスル夫妻』(原題:The Story of Vernon and Irene Castle)です。
本当に素晴らしい! 先ほど見終わったばかりですが、ちょっと興奮が収まらないところです(笑)。

アステア作品は、自分でペアダンスを始めてから見始めたため、そんなにたくさん観ていません(『バンド・ワゴン』『パリの恋人』(→記事有り)『踊る結婚式』など)。
観た作品はわずかですが、どれを見ても言葉では言い表せない素晴らしいダンス。二十世紀最高のダンスエンターテイナーと言われるフレッド・アステア。こんな人を知らずに30年以上生きてきたかと思うと損をした気分です。

私のダンスの先生も、アステアを見てその道を志すきっかけとしたそうですが、確かにその気持ち良くわかります。

アステアのダンスは最高です。
また、ダンスだけでなくその物腰、立ち居振る舞い、ジェントリー、すべてが素晴らしいオンリーワンです。
なれるものなら私はフレッド・アステアになりたい(笑)。

『カッスル夫妻』はWikipediaによるとこんな説明がついています。

ロジャースとの競演第九作。二人が往年の名ダンス・コンビであるカッスル夫妻に扮し、コンビ解消を記念する作品となった。作中での衣装、ダンス・ナンバーなどがあまりにも時代がかったものであったこと、二人の競演作にはめずらしく悲劇的な結末であったことなどから興行成績が伸びず、現在にいたるまで人気の高くない作品である。

とありますが、私の評価は違います。
私の好きなペアダンスをたっぷりと見ることができるからです。
アステアはタップダンスもそれはそれは素晴らしく、他の映画ではどちらかというとソロダンスの方が見せ場になっていることも。
その点、この映画は新しい社交ダンス(モダンダンス)を大流行させた夫妻の伝記的映画。ダンスシーンはペアダンスが中心です。

アステアのペアダンスを見ると、ステップの軽やかで素早いことなどに目が行きますが、私はダンスのリードに目を奪われます。
もちろん、映画で見せるダンスは何度も練習した振り付けのダンスでしょうが、あまりにも自然でソフトなリードは魔法のようです。彼は踊りながら度々フッと手を離して(ホールドを解いて)踊るのですが、そんな時でも見えない手でリードをしているようです。うーん凄い!
tv[→Go YouTube]

もし、アステアのペアダンスに問題があるとしたら一つだけ。それはペアダンスの主役はあくまで女性。男性はリードしながらも女性を美しく引き立てる役目なのですが、アステアのステップが華麗すぎて、どうしてもそちらに目が行ってしまうことでしょうか(笑)。いや、もちろんジンジャー・ロジャースも素敵です。ダンスも上手いし。

この映画ではフォックストロットの元になったと言われている「カッスルウォーク」の誕生の場面や、見たこともないようなタンゴ、ドラマチックなワルツなどを見ることができます。
tv[→Go YouTube]

後に撮られるようなミュージカル大作のような派手な場面がなく、その辺ももしかしたら評価の低さにつながっているのかもしれませんが、私は大好きなペアダンスがたくさん見られて大満足です。

映画を観ていると、アステアとロジャースが本当のカッスル夫妻のように思えて、その悲劇的な最後もアステアのダンスを見ているからこそ、悲しみを倍加させます。まるでアステアが死んでしまったよう。いや、死んでないので、いいですが。

映画出演もしたというカッスル夫妻のダンスも見てみたいものです。本物のカッスルウォークを。
彼は夭逝してしまいましたが、劇中のセリフが泣かせます。

「彼はダンスをする人の心の中で生き続けるんだ」

現代の社交ダンスの基礎となるスタイルを世界中に広めたカッスル夫妻は、確かに私の中にもいるのです。

 

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WEBマガジン『ダンス・インテリジェンス』

検索していたらたまたま見つけたので紹介します。

『Dance Intelligence(ダンス・インテリジェンス)』
日本初、社交ダンスの情報満載のウェブマガジン創刊!
社交ダンスを愛する人たちが「知りたい」情報を発信していきます。

→サイトへ

2008年11月創刊で現在2月号まで4号出ており、無料で見ることができる。
“情報満載”というにはちょっと少ないと思うが、WEBで見るならこんなくらいがいいのかもしれない。
競技ダンスの話題が多いが、社交ダンスの現状に対する認識などは私もうなずく部分が多く、今後もチェックしていきたい。
ただ、これ、どこの誰が作っているかさっぱりわからないんだよなぁ。

コンテンツの1つに「ダンスパートナー血液型別相性診断」というものが。
リーダーとフォロワーの血液型を入れて相性を占う。占い結果はなかなか詳細。
ダンス教室でやったらおもしろいかもね。

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追記
こんな占いもありました。

社交ダンス占い
ダンス占い

私は「ブルース」と「ジャズダンス」でした。

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『ビューティフルメモリー』

映画中ペアダンス重要度:★★★★☆

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2005年アメリカ
出演:ロバート・カーライル、マリサ・トメイ
監督:ランドール・ミラー
103分

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tv予告編[→Go YouTube]

ダンス映画ではないが、ダンスが大きなモチーフになっている映画。
でもそんなことは『ビューティフルメモリー』という邦題からはまるでわからない。日本の配給元はこの映画を癒し系感動映画として売りたかったみたいでこんなタイトルにしたけどあまりにも当たり障りなさ過ぎるし、あんまり映画の内容に即しているとも思えないのだ。

原題は『Marilyn Hotchkiss' Ballroom Dancing and Charm School』。
Marilyn Hotchkisは人の名前で「マリリン・ホチキスの社交ダンスと礼儀作法の学校」ということ。よほど原題の方が合っているし面白い。ホチキスがまずかったのかな(商標とか)?

この学校は1960年代から、子どもたちにダンスと礼儀作法を教えている。いやダンスを通じて礼儀作法を教えているというべきか。
そして今も、先生は代替わりしたが、ダンス教室として続いている学校だ。

映画は主にこのダンス学校を舞台に、1964年と2005年という二つの時代を行き来するという構成。

ダンスシーンはふんだんに用意されている。
1964年では、こまっしゃくれた子どもたちが正装してのダンスシーン。といってもワルツでヘジテーションをずっと繰り返すというような簡単なものだが。

2005年では主人公が最初に出たレッスンでやったのが、なんと「リンディホップ」。
劇中では「ウェストコーストスウィングとチャールストンの融合で生まれたダンス」と説明されていて、私が習っている教室では単にスウィングと呼んでいるダンス。ただし映画の方がちょっと上級のトリプルステップの連続だったが。
日本で言えば、ジルバとジャイブの中間のようなダンスという感じか。ジルバのS(スロー)に一歩足してトリプルステップになる。ジャイブのベーシックと同じだが、ジャイブのように腿を高く上げて踊るわけではない。

主人公はこのダンスがよほど楽しかったらしく、ここから人生がちょっとずつ前向きに変わっていく。
私も覚えがあるなぁ。最初に一通りダンスを習ってなんといっても楽しかったのがスウィングだった。ステップが簡単でノリが良く、リーダーはリードの喜びを、フォロワーはクルクル回る楽しさをいきなり味わえるダンスだ。

ただ、主人公ノリノリになりすぎて教室で暴走してしまう。妻を亡くして暗い日々を送っていた彼がはじけてしまったのだ。
彼にダンス教師が言う。「ダンスは劇薬みたいなものよ。正しく使えば心を晴らし人生バラ色。ただしそれには試練に立ち向かわなければならない。あなたにその覚悟はある?」(筆者超訳)という深いお言葉。ダンスの魅力(魔力?)に取り付かれた者なら皆納得の言葉と思う(ただし解釈は各自色々かも)。

次のレッスンで踊ったのは、これまた「メレンゲ」。
メレンゲはドミニカのダンスで単純な二拍子で踊るダンス。ここでもリンディホップの時と同じくダンス教師によりダンスの発祥が語られるが、教師の不思議なキャラクターと相まってなかなか面白い。
メレンゲはステップが単純ななだけにヒップモーション(キューバンモーション)のノリノリの動きが不可欠。サルサクラブでは、密着度の高いダンスとして人気で、夜が更けてくるほどかかる比率が高くなるのだ(笑)。
普通の社交ダンス教室ではサルサ同様、レッスンされることはまずないだろうが、私の通う教室では時々出てくるダンス。ただし、サルサクラブのそれとは異なり、ライトなダンスとして踊られている。映画中のシーンもそうで、皆明るく楽しく、さほど凝ったステップはまるでなくとも、満足げに踊っていた。

ストーリーについては、細々書かないが、私としてはとてもいい映画だと思う。
派手さはまるでないし、渋い演技派は多いが有名キャストというわけでもない。
でも、ちょっとしたきっかけで霧が晴れるように人生を変えていく主人公の手助けをしたのが、ペアダンスというのが嬉しい。
また、もう一人の主人公というべき男(1964年の学校に通っていた少年の40年後)の人生におけるもっとも美しい思い出が、好きな子とダンスをしたことだったというのも嬉しいこと。
そんなわけで、当ブログ的には、隠れた名作を見つけた気分。

でもそんな良作も日本の配給会社にかかれば「全米が泣いた!」という陳腐すぎるフレーズとともに、当たり障りのなさ過ぎる邦題に改変されて、結局必要な人に届かない映画になっちゃってるんだよな。

これは、ダンス好き、特にペアダンス好きにこそ観てほしい作品。そのように宣伝すべきなのだ。


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シリーズ新的中国人『踊れば楽し』(ドキュメンタリー)

→NHK番組サイト

中国の公園で集まってすることと言えば太極拳かと思っていたら、今は社交ダンスも盛んらしい。
そんな様子が約2時間たっぷり見られるNHKのドキュメンタリー。

ドキュメンタリーのテーマは、もちろんダンスそのものではなく、公園ダンスに集う人々を通じて現代中国を切り取るというもの。それはそれで、まあ面白かったが、私の目的はあくまで中国の社交ダンス愛好家の姿とそのダンスを見ること。

まず、どんな人がダンスをしているのか?
日中の公園(北京の天壇公園、日本なら日比谷公園のような位置付けだろうか)に集うような人なので、基本的に男性はリタイアした高齢者。ちょっと若いのは失業中とかそんなの。女性の年齢層はもう少し幅広いが、それでも中年以上。日本の社交ダンス層と同じと思ってよさそうだ。ダンス歴は年季の入った人では50年以上も。女性はこの公園で習い始めた人なんかもいて、まあいろいろ。

踊られているダンスの種類は?
実は最初はよくわからなかった。なんでかっていうと、曲が全部中華風だから(笑)。一言で言えばぬるい感じの曲が延々流れる。
見ることができたダンスは、フォックストロット(ブルース)とスウィング(ジルバ)、ワルツ、タンゴ。ボーカル曲もあったが中国語ばかり。
フォックストロットとスウィングあたりは、どちらもぬるい中華風ポップスなのだが、リズムが多少でも跳ねるようなのはスウィングとなる。曲が微妙すぎるけど、きちんと踊り分けていたのが印象的。

自分たちはここで一番うまいと思っているペアがいて、彼らが発表会の練習のためにパソドブレを踊りたいが、なかなかかけてもらえないというシーンも。時折かけてもらえるのだが、その時は大半が休んでそのペアのパソドブレを見守るということに。
なお、パソドブレは字幕では「スペイン舞踊」とか「闘牛のダンス」となっていた。

不思議だったのが、ルンバやチャチャチャといったラテンが一切なかったこと。たまたま映っていなかったのか、中国人はラテンが好みじゃないのかはわからない。ただ、かかっている曲の感じからするとビートの効いたラテンナンバーは好きじゃなさそう。
単に年齢層の問題なのかもしれないし、かかる曲はほとんど国産の曲のようで、中国にはラテンアレンジの曲があまりないのかもしれない。

これなんのダンスだろうなぁ??と思う謎のダンスがあった。しばらく見ていてこれはハッスルなんじゃ、と気がついた。大発見?(笑) いやー驚いた。
ハッスルといえば、『サタデー・ナイト・フィーバー』の世界。北京のお昼の公園とは世界観が真逆である。
だが、四拍子のダンスで比較的簡単なフォックストロット(ブルース)ともスウィング(ジルバ)とも、ましてやタンゴなどとも違うそのダンスは、私の習っているハッスルのステップだったのだ。
といってもハッスルというダンスのキャラクターである、粋とキレはなく、また女性のターンの連続という特徴も消えている。ハッスルらしさの残滓は明るさと楽しさくらいだろうか? ディスコミュージックでもないし。
確かにハッスルは楽しいし、技のバリエーションが簡単に出せるし、ステップを小さくすれば運動量も抑えられる。楽しくて踊りやすいダンスとして中国の公園では楽しまれているのだろう。

天壇公園は巨大な公園で、公園各地でこうした青空ダンスサークル(?)が開かれているようだ。取材されていたサークルは中では珍しく有料だそうだが、半年で30元(450円くらい)。
別にレッスンがあるわけでもなく、ただ集まって踊る。ただ、よほどの悪天候以外は確実に開かれているようだ。
また、見る限りパートナーチェンジはほとんど行われない。競技ダンスでもないのに、基本的にカップルで踊るものみたいだ。許可なく他の女性と踊ったりすると、追い払われたり、パートナーから嫉妬されたり大変みたいだ。
それと夫婦で踊るということも少なそう。「ダンスは妻(夫)と踊らないから楽しいんだよ」みたいなことを言っている人もいた。でも、ダンスだけの関係と割り切っていたカップルもなんだかやっぱり盛り上がっちゃったりして、年をとってお互いの相手が死んだら一緒に暮らそうみたいなことになったりとか。
社交ダンスの裏面にはセクシャルな部分が厳然としてあるのは間違いない。でも中国人はハッキリしていすぎる人たちなので、その辺の微妙さは日本に比べるとかなり表に出ているように感じた。いや、もちろん、公園で踊っているのを見るだけなら十分健全なんですけどね。


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社交ダンス漫画

社交ダンスを扱った漫画作品は非常に少ない。
バレエ漫画は少女漫画における伝統的モチーフであるのに比べその差は歴然。まあ漫画の読者層(特に少女漫画)を考えれば、社交ダンスのイメージは世代的なギャップが大きすぎるのかもしれない。

『PARTNER(パートナー)』

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社交ダンス漫画と言えばコレ。
1980〜87年の作品で、作者は名香智子。
あらすじは、こんな感じ。

主人公・宝珠茉莉花はお嬢様だが、踊ることが大好き。ある夜ディスコで茉莉花の人生を変える二人の男性に出会う。金髪の美形フランツと野心に燃えるダンサー神砌。そして茉莉花は社交ダンスの華麗な世界に踏み出す。

社交ダンスがまだまだうさんくさいものとして(少なくとも法律上は)見られていた時代に、競技ダンスを堂々とスポーツとして扱い、その世界の厳しさも描いている。
また、ドロドロの人間関係・恋愛関係という、少女漫画的な世界も作品の見どころで、正直私はあまりついて行けない感じ(笑)。
それでも文庫全8巻は読破できたので、社交ダンス好きならそれをモチベーションに楽しむことができるのではと思う。

『ダンシング』

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佐々木潤子
集英社(廃刊)

残念ながら未読。
ただ、ウチの奥さんが昔読んでよかったそうで(社交ダンスへの憧れの原点らしい)、もし復刊されたらぜひ読んでみたいと思っている。

『りぼん』連載で、ジュニアの社交ダンスの世界を描いているらしい。絵柄も可愛く、爽やかな内容らしく、読者である少女たちが純粋に社交ダンスに憧れを抱ける作品なのだという。

映画でも小説でも子どもたちに社交ダンスへの憧れを持ってもらえるような作品はほかにない。そうした点からもとても貴重な作品ではないだろうか。

他には『黄昏舞踏倶楽部』(宮脇明子・マーガレットコミックス)とか。
だが、これも未読。

もし、社交ダンスやペアダンスが登場する漫画をご存じでしたら、ぜひ教えてくださいませ。


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『HERO』

映画中ペアダンス重要度:☆

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2007年日本
出演:木村拓哉、松たか子
監督:鈴木雅之
130分
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映画の冒頭、競技ダンスで小日向文世と大塚寧々がタンゴを踊るシーンがありますが、特に見るべきところはありません。
また、映画のストーリーとも関係ありません。

私はTVシリーズを見ていないので、評価できる立場にありませんが、社交/競技ダンスにたいして残念な方のステレオタイプ的な扱いだったと思います。

それでも木村拓哉主演の大ヒットドラマの映画化ともなれば、ダンスシーンのロケの模様は社交ダンス雑誌(月刊ダンスビュウ 2007年10月号)にも大々的に取り上げられる始末で、こうした記事を見て社交ダンス愛好家が映画館に足を運んだとしたら、さぞやがっかりしたのではと思います。
いや、もちろん映画そのものが楽しめたなら、それにこしたことはないのですが。


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BURN THE FLOOR『Floor Play』DVD

映画中ペアダンス重要度:★★★★★

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バーン・ザ・フロア [DVD]
2008年
→動画視聴アリ


2008年秋の東京公演で購入したDVD。
半年近く経ったが何回か見ている。通しでなくても気になるところ何回も。
DVDは2008年のショー以前の『フロアプレイ』を収録。2006年初演で収録も多分その内容。場所は、バーン・ザ・フロア・カンパニーの本拠地、オーストラリアのようだ。

私が生で見た2008バージョンとは微妙に違っており、きちんとパワーアップしていることが見て取れた。
特に衣装は結構違う。もちろん2008の方が洗練されていてグッド。
また、キャストも結構変わっている。2008東京とは7割くらいかな、同じなのは。

私も何度も見返したように、DVDでもショーの興奮は十分に味わえるが、そりゃやっぱり生にはかなわない。だってダンサーは会場をところ狭しと走り回って、本当にすぐ近くまで来るからね。

バーン・ザ・フロアは『フロアプレイ』の前に同名の『バーン・ザ・フロア』というショーをやっていて、そちらもDVDで観ることができるが、残念ながら私は未見。
なんでもその時のショーの方が、ダンサーの人数が多くてそれはそれは迫力があったらしい。
『フロアプレイ』では監督に専念しているジェイソン・ギルキソン氏もこちらじゃバリバリに踊っているらしいしね。いつか観たいと思っている1枚。観たらまた書きます。

(未見)

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バーン・ザ・フロア
【ユニバーサル・ミュージックDVDコレクション】
1999年ロンドン公演を収録




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『フロアプレイ』ウォーミングアップ見学会

(この記事は2008年9月15日にmixiで書いた日記の再録です)
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感激さめやらぬ『フロアプレイ』公演ですが、JSDCの優待チケットは特典満載。
座席位置そのものもとても良かったのだが(9列目・ほぼ中央)、1000円分のお買い物券が付いていて、ウチは二人で行ったので2000円引きでDVDを購入。まだ、見てませんが、見たらまた感想を書きます。

そして更なる特典としてウォーミングアップ見学会が催されるとのこと。こういうオマケイベント大好きな私はもちろん参加。日曜日の午前中、午後一の公演前の会場に入って最前列の席でダンサー達を見ることができました。

最初はリラックスした雰囲気の舞台上でのミーティング風景を眺めながら、スタッフの方からさまざまな解説を聞き、しばらくたったところで、ウォーミングアップ開始。メソッドがあるようで、全員同じ動きをしていました。軽くキューバンモーションで動くだけなのに、まあ格好いいこと!

私のお気に入りのロシア人の彼女はセンターポジション(笑)。ソロの場面などはなかなかない彼女ですが、やっぱりスゴイ。動きのキレが違う(って他のダンサーはウォーミングアップだから軽くやっているだけなのかもしれませんが、ナチュラルボーンなマッチョダンサーである彼女は音楽が鳴るとついついスゴイ動きをしてしまうのだ!……って妄想です)。
隣の男性ダンサー(パートナーではない、坊主の彼)にちょっかいを出しながらと余裕たっぷりで楽しそう。ますますファンになった。

もうひとりのお気に入りハリネズミ頭のダミアンは後の方で目立たない。髪の立ちもゆるかった(本番前だからね・笑)。

モダン担当(?)の、人造人間っぽい(褒め言葉です……ってそんな褒め言葉はないか・笑)デイモンは、やっぱりでかい。Webサイトのプロフィールを見たら、元バスケットプレーヤー。なるほどそんな感じ。

そうそう、前にテレビで見た「フロアプレイ体操」の動きもちゃんとやっていて、オモシロムーブだからやっていたワケじゃなく、普段からやっていた動きなのねーと感心しきり。

解説のスタッフさんはしきりに「身体の中心を探りながら」という言葉を使う。
後でウチの奥さんに聞いたところ、「中心がなければ回転も安定しないし、停止するにもピタッといかない。それほど中心とは大事なモノで、要するに体幹(あ、変換されない)。体幹は意識することが大事で、どこにあるのか知ることで鍛えられる」とのこと。
なるほどー。フロアプレイに触発されて、こりゃ腹筋鍛えるしかないと思っていた私には良いヒント。

見学会の最後は、芸術監督・振付家のジェイソン・ギルキソン氏への質疑応答。誰も質問しなかったら俺が!と思っていたが、熱心なファンは積極的に手を挙げていたので出る幕無し。
あっという間に終わってしまったが、有意義な時間だった。
そうそう、ダンス教室の仲間に会えたので、それなりにあった待ち時間も楽しくフロアプレイ話(萌え妄想?)を話せて楽しかった。周りではあいつらなんだ?と思われたかもしれないが(笑)。

そういうわけでオマケイベントも満喫してフロアプレイは終了。次回来日するのはいつかな? 次回は新作かな〜? 楽しみ楽しみ。

世界を見回してもバーン・ザ・フロアカンパニーにライバルはいなさそうだが、JSDTはここを狙っているのだな。スゲーぜ。

(※時々過去のダンス関連日記を再録していきます)


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