カテゴリー「[ワルツ/ウィンナワルツ]」の記事

『ステップフォード・ワイフ』

映画中ペアダンス重要度:★★☆

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2004年アメリカ
出演:ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック
監督:フランク・オズ
93分

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tv予告編[→Go YouTube]

賛否ある作品でしょうが私は楽しめました。

ストーリーは、バリバリのキャリアウーマン・ジョアンナ(ニコール・キッドマン)は失脚して意気消沈。夫と共に仕事を辞めて、都会から田舎の超高級住宅街・ステップフォードに引っ越して人生をやり直すことに。
しかし、豊かで美しいその町はどこかおかしい。特にそこに住む妻たちが揃いも揃って貞淑で金髪グラマーという“完璧”な妻であることをいぶかしむジョアンナだが、夫ウォルター(マシュー・ブロデリック)はこの町にきてからなぜか急に強きな男に変わっていて……、という話。

1975年に製作されたハリウッド映画『ステップフォードの妻たち』のリメイクだそうですが、私はオリジナルの方もまったく知らず、こちらもなんの前知識もなしに観ました。

ネタバレの感想の前に、ダンスシーンの紹介を。
映画のクライマックスといえるシーンが舞踏会で、主演の二人をはじめ、クリストファー・ウォーケンなども踊ります。
お姫様風ドレスの女性陣にタキシードの男性陣。踊るのはもちろんウィンナワルツです。
パーティでのウィンナワルツはヘジテーションをたっぷりして、盛り上がってきたところで回り始める感じでしょうかね。
ウィンナワルツの次はラテンも、ということで、オールドスタイルなマンボらしきダンスが踊られるのも一瞬見ることができます。
ごく短いダンスシーンですが、完璧なスタイルの舞踏会で、実はこれが大きな意味をもっています。

 

というわけで以下ネタバレ。

ステップフォードの貞淑すぎる妻たちは、実は脳にチップを埋め込まれて洗脳された改造妻だったのです。

彼女たちはみな元々ジョアンナと同じように高い地位でバリバリ働いていた女性ばかりで、この町にきて改造され、夫たちの望む理想的な妻に(美しく貞淑な、家政婦のような娼婦のような)なっているのでした。
そんなことをしたのは、この町を仕切っているクレアとマイクの夫婦。科学者である彼らは屋敷の地下には人体改造装置が。
そして、この町の男たちは「男性協会」という社交クラブに入り秘密を共有しています。それが妻たちが改造されていることで、夫たちは望んで妻たちをそうしたのでした。なぜなら彼らは結婚以来、妻の仕事でもプライベートでも上をいかれ、精神的に隷従する生活に叛乱を起こしたかったから。

無茶な話ですが、そんな秘密(割と冒頭からバレバレですが)がクライマックスで明かされるわけですが、もう一つどんでん返し。
この妻たちの改造をしてきたのはマイク(クリストファー・ウォーケン)の方だと思っていているのですが、実は彼はアンドロイド。クレア(グレン・クローズ)の方がこの計画を考え、実行してきたマッドサイエンティストだったのです。
さらに、改造されてしまったと思われたジョアンナ(改造後は皆、金髪に変わる)でしたが、それは演技で、ステップフォードを壊すために夫とともに一芝居うった、というのが大どんでん返し(というほどの驚きはないけど・笑)。

すべてが明らかになってから、マッドサイエンティストのクレアが言うセリフはこうです。

「私はワルツとシフォンを愛している。男性は強く女性は貞淑な完璧な世界を作りたかったの」

これには私、ちょっと考えさせられました。

シフォンは薄絹のことで要するにドレスってことでしょう。つまり美しい衣装を着て、正しい舞踏会を楽しむような“古き良き”時代のためには、まず強くなりすぎた女性を改造しなければならなかった、ということのようです。

実は私、社交ダンスを始めて以来、舞踏会に代表されるような華やかで美しく、それでいて秩序だった世界に憧れる気持ちが強くあります。
だからといって私には妻(女性)はかくあるべきという気持ちはこれっぽっちもありませんが、社交ダンスの世界は確かに男性が誘い女性は待つ、男性がリードし女性はそれに従う、というイメージのがあることは確かです。必ずしもそうでもないんですけどね(特にリード&フォローは)。
ただ、そんなところをズバッと突かれたような気持ちだったのかも。

まあ、私の感想は、ペアダンスブログということもあっての、ちょっと偏ったもので、普通はもっとフェミニズムとか夫婦のあり方とか、そういうことだと思いますが。

正直、矛盾だらけの妙な作品です。でも、90分と短くまとめられているのは、こうした風刺作品としては正しいありかただと思うし、美しいニコール・キッドマンの回りを固める個性的な役者たちの演技と、美しい屋敷などのセットを見るだけも十分価値のある作品だと思いますよ。

オリジナルはもっとスリラー色の強い作品だそうですが、リメイク版のこちらはコメディ色が前面に出ているのも良かったと思います。
tv1975年版予告編[→Go YouTube]



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ワルツの本場はアメリカ?

社交ダンスの本場はヨーロッパ、それもイギリスこそが本家本元と思われていますが、ダンスの歴史をひもとくと必ずしもそうではないことがわかります。
それどころか、イギリスはあくまで社交ダンスのルールの整備を行っただけで、社交ダンスで踊られるダンス種目はすべてイギリス国外のダンスなのですね。

ワルツは、ヨーロッパ各地で踊られていた三拍子のダンスがオーストリアでウィンナワルツとなって各国に広まりました。
そのウィンナワルツが1910年頃にアメリカに渡り、ゆったりとしたリズムで簡単に踊れるようにしたのが「ボストンワルツ」というダンスだそうです。それを1920年頃イギリスの社交ダンス教師協会が社交ダンスの種目に採用したことで、今日のワルツがあるんだそうです。

アメリカ映画を観ると、町の酒場やダンスホールでカウボーイハットの男女が踊るワルツの場面がよく登場します。
カントリーの曲でも三拍子の曲は結構あって、例えば「テネシーワルツ」とか。
YouTubeでアメリカンスタイルのダンス競技会を見てもカウボーイハットのワルツはよく見つかります。
ワルツにカウボーイハット??と社交ダンスのイメージからするとどうかと思われるでしょうが、結構格好いいですよ。

ウィンナワルツはボストンワルツ(=ワルツ)の流行により、いったん廃れますが(いや、もちろんウィーンの社交界などでは踊られていたのでしょうが)その後1940年代(60年代説も)に競技ダンスの正式種目に採用され、今日に至っているそうです。

ヨーロッパ文化の代表のように思われているワルツですが、実はいったんアメリカに渡ってから逆輸入されたというわけです。

音楽でもそうですが、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカという場所では、さまざまなものが出会って融合して化学変化を起こすようにして新たな文化が生まれたんですね。
ジャズやロックは、さまざまな人種のさまざまな音楽がルーツとなってアメリカで誕生した音楽です。同じようにダンスもアメリカで誕生・変化したものが多いのですね。

(インターナショナルスタイルの)競技ダンスで踊られる10種類のダンス(テンダンス)では、まず前述のワルツがそうです。
ボストンワルツが元になった現在のワルツは、ウィンナワルツの半分のテンポで踊れるようになりました。

クイックステップやスローフォックストロットも、ジャズ音楽で踊るアメリカ生まれのダンスです。元々フォックストロットとして1つだったダンスを、テンポの速い遅いで2つに分けてダンス競技種目としたのだそうです。
アメリカンスタイル社交ダンスではフォックストロットの名で現在も踊られています。ブルースもまたこのフォックストロットの中に含まれるダンスです。

ジャイブもまたスウィングジャズにのって踊るアメリカのダンスです。
アメリカンスタイル社交ダンスでは、ジャイブもジルバも、またリンディホップやバルボアなども総称してスウィングという名で踊られています。曲調や自分の技量によってジルバのように簡単なステップで踊ったり、ジャイブのようにトリプルステップで素早く踊ったりするわけです。

チャチャチャもアメリカのダンスと言っていいかもしれません。
発祥はキューバです。ルンバにしてもサルサ・マンボにしてもキューバ音楽が元になったダンスですが、アメリカで発達したダンスとも言えます。
まずマンボのブームがあって、そのマンボのステップに1つシンコペーションを加えたのがチャチャチャと言われています。
チャチャチャ、マンボ、そしてサルサはニューヨークのプエルトリカンたちによって原形が作られたと言ってもいいでしょう。
チャチャチャはイギリスで競技種目として迎えられましたが、マンボはそうなりませんでした。しかし、その後サルサとして独自に発展し、現在の隆盛があるのです。

テンダンスのうち5つまでがアメリカ経由のダンスということになります。このようにアメリカは現在のダンス種目に多様な影響を与えた国なのです。
実はもうひとつ、ペアダンスの誕生・発展に大きく寄与している国がフランスです。この話はまた別の機会に。

アメリカンスタイル社交ダンスを考える上で、アメリカとペアダンスの歴史を見直すと、実はアメリカこそがペアダンス大国と思えてきました。
日本での社交ダンスのイメージはイギリスに直結するのでしょうが、別の見方もあるのだ、ということが言いたくて長々と書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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『ブロークバック・マウンテン』

映画中ペアダンス重要度:★

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2005年アメリカ
出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール
監督:アン・リー
134分

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劇場に観に行ってもいいなぁと思っていたけど、結局行かず、今頃になってDVDにて鑑賞。
期待してみたが、期待に違わぬ良い映画だった。
第一に美しい映画だと思う。淡々とした描写が多く、無理に引っ張るようなストーリーはないが、美しい映像となにより主演の二人の演技力で魅せる作品。

映画そのものについては、ここでは語らない。あくまで当ブログは映画の中のダンスシーンを紹介するのがテーマ。
『ブロークバック・マウンテン』の中のダンスシーンは数カ所あるが、重要なシーンではないし、なによりイニスとジャックは踊らない(残念・笑)。

ダンスシーンはどれも酒場で踊られるもので、カウボーイは意外とダンス好きっていうことがアメリカ映画を観ているとよくわかる。
踊られるダンスはカントリーダンス。
カントリーダンスはカントリーミュージックで踊るダンスで、なんとなくアメリカ中西部や南部という田舎のイメージがあるけど、実態はもっと幅広いもののようだ。カントリー・バーやホンキートンクと言われる酒場には必ずビリヤード台とダンスホールがあるのだそうだ。

カントリーダンスにはラインダンスとペアダンスがあって、ラインダンスは振り付けで踊り、ペアダンスには「ツーステップ」という代表的なダンスのほかワルツ、スウィング、チャチャ、ポルカ、チークダンスなどがあるんだそうだ。

ラインダンスは、例えば西部開拓時代が舞台の『バックトゥザフューチャーPART3』や『風と共に去りぬ』など見ることができる。
ペアダンスも『微笑みをもう一度』ではスウィング、『ツインズ』ではワルツを見ることができる。
『ブロークバック・マウンテン』でも、ポルカやワルツが見て取れる。
要するに、アメリカの田舎で踊られるダンスシーンの多くはカントリーダンスというくくりに入るわけだ。

アメリカでペアダンスといった場合、都会では社交界の舞踏会以来の社交ダンス的なものが、田舎ではカントリーダンスがあって、全米各地ではそれが適度に混じり合ってその世界をなしているのではないかな。
私はたまたま社交ダンス的な視点で、アメリカ映画の中のダンスを捉えようとして、これはスウィングかフォックストロットか?みたいなことを延々と書いてきたけど、カントリーダンスだと言ってしまえば解決なのかも(笑)。

私が習っているアメリカンスタイル社交ダンス。その「アメリカンスタイル」というのは競技スタイルの対比(インターナショナルスタイルと対)としての言葉だが、それは狭義のものにすぎないんじゃないのかな、と最近思う。
アメリカの歴史の中で、移民や奴隷が持ち寄ったさまざまなダンスと音楽が混じり合い、新しい音楽(ジャズやロック)とともに新しいダンスを生み、高め合い熟成されていったもの……。それがアメリカンスタイルのダンスで、そこにはアメリカ的な多様性と自由が含まれているでは、とちょっと頭でっかちではあるがそんなふうに思う。

社交ダンスの世界ではあまりにもスタンダード(規範という意味で使用)をイギリスに求めすぎている。そりゃ確かに競技ダンスとしてのルールブックはイギリス人がまとめたし、それによって社交ダンスは世界に広まったのかもしれないけど、ダンスそのものの持っていた多くのものを殺してきた歴史でもあるのでは、と楽しそうに踊る人々(例えばカントリー・バーで踊るアメリカ人、結婚パーティで踊るフランス人、タンゴフェスで踊るアルゼンチン、朝の公園で踊る中国人)を見ているとそんなことを思ったりする。

踊るという行為を多くの人たちから遠ざけてしまうようなダンスは罪だと思う。競技などを通じて高みを目指していくことはジャンルにとって大事なことだと思うが、同時に入り口は広く敷居は低く底辺は広くなければならないと思う。
たぶん、こんな状況は日本だけのことなのかもしれませんが。

参考
カントリーダンスとは?
カントリー音楽とカントリーダンス

 

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『マイ・フェア・レディ』

映画中ペアダンス重要度:★★

31eo1bjvdl_sl500_aa192_ 1964年アメリカ
出演:オードリー・ヘプバーン、スタンレー・ハロウェイ
監督:ジョージ・キューカー
170分

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妙なところから話を始めますが、古本屋で『舞踏会のレッスンへ』という文庫本を買いました。
51jww6blayl_sl500_aa240_ ダンスに関係することならなんでも受け入れ態勢になっている私ですから、タイトルだけで買ったのですが、それはハーレクインロマンスのような小説だったのです。
本来なら私のようなおっさんが手に取るような本ではないと思いますし、結構分厚い本でしたが、ロマンス有り、官能小説風の展開有りと、意外と面白くて二晩くらいで読んでしまいました。アリエネーとかツッコミながら。
で、この本の内容というのが、19世紀末のロンドンを舞台に、元侯爵令嬢で言語学者のエドウィーナが粗野なねずみ取りの青年ミック(実は美男)と出会い、ひょんなことから6週間で上流階級の話し方とマナーを教え紳士に仕立て上げて舞踏会に出る、というものでした。
で、妻にこの本の話をしたら、「それ『マイ・フェア・レディ』じゃん」ということで、なんだよパクリかよ、と(笑)。

 

その後、NHK BSで『マイ・フェア・レディ』の放送があり、録画しておいたものの3時間近い長さに手が出ずにいましたが、ようやく先日観ることができました。
いやいや、さすが名作の誉れ高いだけあって、楽しめました。展開が面白く、ミュージカルシーンも楽しくて、この長さも気になりません。

内容は、言語学者のヒギンズ教授が街の花売り娘イライザに上流階級の言葉と作法を教え込んでレディーに仕上げるというもので、なるほど確かに“まんま”でした。
イライザを演じるオードリー・ヘプバーンはこの時35歳。この役は年齢的にギリギリという感じですが、やはりさすがの美しさ華麗さ可憐さを保っています。
乱暴な言葉で話す下町の娘がお嬢様に大変身、というのが見どころでしょうが、かえって変身後の方が普通の(見慣れた)ヘプバーンで、下品に話しまくるヘプバーンの方がある種驚きです。

 
ミュージカルシーンも楽しめました。ミュージカルにはいわゆる全編、つまりセリフまで歌で進行するオペラ形式のミュージカル(『オペラ座の怪人』やや『ジーザス・クライスト・スーパースター』、『レ・ミゼラブル』など)もありますが、『マイ・フェア・レディ』は時々唐突に歌い始めるタイプのミュージカルで、どちらかというと私はこの手のミュージカルが苦手だったのですが、今は自然に楽しめるようになりました。

『マイ・フェア・レディ』には良い曲がたくさんありますが、中でも有名なのが「I Could Have Danced All Night」でしょう。日本語タイトルだと、ざっと調べた限りでも「夜明けまでも踊りながら」「踊り明かそう」「一晩中踊れたら」などがありました。
私の手持ちの中では映画『Shall We Dance?』(リチャードギアのハリウッド版 →記事有り)のサントラにJamie Cullumの楽曲があり、これはサンバ用に編曲されていました(→試聴可)。もう一曲、映画音楽全集のようなCDに収録されたバージョンも、パーカッションが入ったサンバ風の編曲。
オリジナルはどんなだろうと思って聴きましたが、速めのフォックストロットに合う曲かなと思いました。やっぱりオリジナルはいいですね。

この映画オードリー・ヘプバーンの歌声は吹き替えなんだそうです。声質が似ているので不自然な感じはしませんが、歌っているのはマーニ・ニクソンという数々の名作ミュージカル映画で歌の吹き替えを行っている伝説的な歌手なんだそうです。
なんか昔の映画って割とそういうことを平気でしちゃうところがスゴイですよね。スペシャルエディションのDVDを買うと、幻のヘプバーンの歌声も聴けるそうです(『パリの恋人』は珍しく本人歌唱。悪くないと思うんですけどねぇ)。

オリジナルといえば、本当のオリジナルはジュリー・アンドリュースなんだそうですね。舞台『マイ・フェア・レディ』がブロードウェイで公開されたのが1956年。ロングランヒットとなり映画化されたのが1964年。映画化権を550万ドルもの巨費で購入したため、確実に投資を回収できる女優をということでヘプバーンになったそうです。
ジュリー・アンドリュースの歌声もYouTubeで聴くことができますね。さすがの上手さです。素晴らしい。
tv[→Go YouTube]

 

さて、長くなりましたが、ペアダンスシーンを。
ミュージカルシーンでポルカのようなダンスを踊るシーンもありますが、なんと言っても舞踏会です。

王宮での舞踏会の様子は、ゲストの名前を呼び上げての入場場面から、王族の入場、談笑の仕方から、ダンスの誘い方までたっぷりと観ることができます(まあ覚えても使い道のない知識ですけど・笑)。
ダンスはウィンナワルツ。ヘプバーンのドレスはタイトなロングで足があまり開かないような作りですが、さすがに上品に踊っています。
こういう舞踏会でのウィンナワルツだと、女性は右手でスカートを持つ人と普通のダンスホールドの人の二種類見るけど、これはどういうことなのかな。好きな方にすればいいのかなと思っていたけど、ドレスのデザインとか、どちらかというと可憐な上品さを演じられるのがスカート持つタイプなのかな、とか思ったり。
曲の途中でのパートナーチェンジもありなのかー、とか楽しんでみることができました。
tv[→Go YouTube]

 

物語はこの後、ラブロマンス色を強めていくわけですが、なんでヒギンス教授とイライザが恋に落ちるのかは正直良くわかりませんが(笑)、ウチの奥さん曰く「恋に理由なんてないのよ」との言葉に納得してみたりして。

余談ですが、イライザに一目惚れしてストーカーの如き毎日を送るお坊ちゃんフレディですが、なんと若きジェレミー・ブレットが演じていたんですね。
ジェレミー・ブレットと言えばシャーロック・ホームズ。NHKでの放送は全部観ました。いやー、面影ないなぁ。
彼も素敵な歌声(On the Street Where You Live:君住む街角)を聴かせてくれますが、これも吹き替えなんだそうです。うーむ。
tv[→Go YouTube]

 

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『アンナと王様』

映画中ペアダンス重要度:★★

51jx7no3knl_sl500_aa240_ 1999年アメリカ
出演:ジョディ・フォスター、チョウ・ユンファ
監督:アンディ・テナント
148分

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有名な『王様と私』のリメイク作品。単なるリメイクではなく、原作や史実に忠実なリアル指向のリメイクとのこと。だから、ミュージカルシーンもなし。

残念ながら私は『王様と私』は未見。
社交ダンス好きからすると、『王様と私』といえば名曲「シャル・ウィ・ダンス」だ。映画『Shall We ダンス?』では大貫妙子が歌い私の世代でも耳にする機会が多くなった曲である。『王様と私』は、社交ダンスにも多大な貢献をしている映画の一つと言えよう。

『アンナと王様』では、この曲は未使用。
でも、ちゃんと王様とアンナは踊ります。
シャム王宮でヨーロッパ風の晩餐会を開催し、そこでワルツを踊るシーン。ウィンナワルツです。
役柄自信満々の王様、チョウ・ユンファのステップは若干ぎこちないですが、心を通い合わせ始めた二人の幸せなダンスシーンです。

そしてラストもやはりダンス。祖国に戻ることになったアンナとの別れを惜しむラストワルツ。とてもよいシーンでした。

ダンスの場面はこの2ヶ所と決して多くはないですが、重要なシーンとして使われています。
こうなると、やはり元の『王様と私』が見たいですね〜。近所のレンタルショップにあると良いのですが。

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『カッスル夫妻』

映画中ペアダンス重要度:★★★★★

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1939年アメリカ
出演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース
監督:H.C.ポッター
89分

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今日、宝物が一つ増えました。先日買ったDVD『カッスル夫妻』(原題:The Story of Vernon and Irene Castle)です。
本当に素晴らしい! 先ほど見終わったばかりですが、ちょっと興奮が収まらないところです(笑)。

アステア作品は、自分でペアダンスを始めてから見始めたため、そんなにたくさん観ていません(『バンド・ワゴン』『パリの恋人』(→記事有り)『踊る結婚式』など)。
観た作品はわずかですが、どれを見ても言葉では言い表せない素晴らしいダンス。二十世紀最高のダンスエンターテイナーと言われるフレッド・アステア。こんな人を知らずに30年以上生きてきたかと思うと損をした気分です。

私のダンスの先生も、アステアを見てその道を志すきっかけとしたそうですが、確かにその気持ち良くわかります。

アステアのダンスは最高です。
また、ダンスだけでなくその物腰、立ち居振る舞い、ジェントリー、すべてが素晴らしいオンリーワンです。
なれるものなら私はフレッド・アステアになりたい(笑)。

『カッスル夫妻』はWikipediaによるとこんな説明がついています。

ロジャースとの競演第九作。二人が往年の名ダンス・コンビであるカッスル夫妻に扮し、コンビ解消を記念する作品となった。作中での衣装、ダンス・ナンバーなどがあまりにも時代がかったものであったこと、二人の競演作にはめずらしく悲劇的な結末であったことなどから興行成績が伸びず、現在にいたるまで人気の高くない作品である。

とありますが、私の評価は違います。
私の好きなペアダンスをたっぷりと見ることができるからです。
アステアはタップダンスもそれはそれは素晴らしく、他の映画ではどちらかというとソロダンスの方が見せ場になっていることも。
その点、この映画は新しい社交ダンス(モダンダンス)を大流行させた夫妻の伝記的映画。ダンスシーンはペアダンスが中心です。

アステアのペアダンスを見ると、ステップの軽やかで素早いことなどに目が行きますが、私はダンスのリードに目を奪われます。
もちろん、映画で見せるダンスは何度も練習した振り付けのダンスでしょうが、あまりにも自然でソフトなリードは魔法のようです。彼は踊りながら度々フッと手を離して(ホールドを解いて)踊るのですが、そんな時でも見えない手でリードをしているようです。うーん凄い!
tv[→Go YouTube]

もし、アステアのペアダンスに問題があるとしたら一つだけ。それはペアダンスの主役はあくまで女性。男性はリードしながらも女性を美しく引き立てる役目なのですが、アステアのステップが華麗すぎて、どうしてもそちらに目が行ってしまうことでしょうか(笑)。いや、もちろんジンジャー・ロジャースも素敵です。ダンスも上手いし。

この映画ではフォックストロットの元になったと言われている「カッスルウォーク」の誕生の場面や、見たこともないようなタンゴ、ドラマチックなワルツなどを見ることができます。
tv[→Go YouTube]

後に撮られるようなミュージカル大作のような派手な場面がなく、その辺ももしかしたら評価の低さにつながっているのかもしれませんが、私は大好きなペアダンスがたくさん見られて大満足です。

映画を観ていると、アステアとロジャースが本当のカッスル夫妻のように思えて、その悲劇的な最後もアステアのダンスを見ているからこそ、悲しみを倍加させます。まるでアステアが死んでしまったよう。いや、死んでないので、いいですが。

映画出演もしたというカッスル夫妻のダンスも見てみたいものです。本物のカッスルウォークを。
彼は夭逝してしまいましたが、劇中のセリフが泣かせます。

「彼はダンスをする人の心の中で生き続けるんだ」

現代の社交ダンスの基礎となるスタイルを世界中に広めたカッスル夫妻は、確かに私の中にもいるのです。

 

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『大使館の食卓』〈ウィーン舞踏会2009〉

予告していましたBSフジの『大使館の食卓』〈ウィーン舞踏会2009〉を観ました。

オーストリア大使館に主催のこの舞踏会は、2009年1月24日に目黒のウェスティンホテルで開催されたもので、修交140年記念の大イベントだそうです。

本来が料理・グルメ番組ということで、パーティでのメニューの紹介にも多くの時間を割いていましたが、ダンスシーンも見ることができました。

ウィーンの舞踏会を日本で正しく再現して見せたい、という大使たっての希望で、デビュタントという社交界デビューのお披露目ダンスを行うことになり、男女各20名ほどの若者が集められました。
男性は多分皆社交ダンサー(学連とかプロとか)でしょう。女性は社交ダンス経験のない人も集められ、多分条件は良家のお嬢様でしょう(笑)。
講師にはオーストリア本国からプロダンサーが招かれ、数日に渡り練習を行ったようです。

披露されたダンスはウィンナワルツではなく(カットされただけかもしれませんが)、古式ゆかしいバロックダンス風のもの(番組ではカドリールと)。振り付けのグループダンスで、難しい動きはなさそうなので、お嬢様たちも無事こなせたようです。

ダンスタイムではウィンナワルツが踊られていましたが、フロアは結構な混み具合で、ダンスの技量もまちまちなためか、映画のように美しいダンスシーンとはいきませんでした。
特に、ちらっと映っただけですが、社交ダンス経験者らしき年配カップルが、勢い込んで踊ろうとしている様は、技術的には正しくても明らかに場の雰囲気からは浮いていました。ダンスって難しいですね(笑)。

ポルカなど、ワルツ以外の曲も踊られていて、最後にはラデツキー行進曲でフロアの全員が一列に肩を組んで(トレイン状)練り歩くというのが楽しそうでした。

オーストリア大使がこんなことを言っていました。
「舞踏会とは、ダンスと食事を楽しむ社交の場で、同時に難しい話をする場所でもある」
難しい話って外交ってことでしょうか? オーストリア人の中にはワルツと外交はいまだ強く結ばれた関係であるようです。

→舞踏会の写真など1/26の記事


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『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』

映画中ペアダンス重要度:★★

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1993年アメリカ
出演:ダニエル・デイ・ルイス、ミシェル・ファイファー、ウィノナ・ライダー
監督:マーティン・スコセッシ
138分

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tv予告編[→Go YouTube]

1870年代ニューヨークの上流社会を舞台に、許されぬ恋に葛藤する主人公たちを、美しい映像で描いた作品。

アカデミー賞で衣装デザイン賞を獲得しており、その豪華で洗練された衣装は見どころの一つ。特にダニエル・デイ=ルイスの着こなす燕尾服などが素晴らしい。
だが、それらの美しさはうわべだけ。新大陸とは名ばかりの因習に凝り固まった社交界は、誰も本音を語らず、水面下で噂が渦巻く世界だったのだ。

ダンスシーンは冒頭10分くらいから始まる舞踏会で見ることができる。
tv[→Go YouTube]

舞台となる、舞踏室(ボールルーム)はセットだろうが、もの凄く豪華で、映画ではその構造(普通は廊下からすぐに入る仕組みだが、ここではいくつかの応接室を抜けて舞踏室に到達するようになっている……云々)についての説明なども楽しめる。

踊られるのはウィンナワルツで、曲もシュトラウスのオーソドックスなもの。ただし、ウィーン風の2拍目が早めに来る感じはなく、均等な3拍子。
舞踏会の開始はラデツキー行進曲でカップルが腕を組んで入場。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで必ず最後に演奏されるこの曲も、舞踏会には欠かせないものらしい。
先日見たウィーン舞踏会では、最後に参加者たちがみんなでトレイン状(もしくはムカデ状)になって行進していたのが楽しそうだった。

ウィンナワルツのシーンで特徴的だったのは、ホールドの位置が非常に低いこと。
こうした舞踏会では気合いを入れて踊っている人はおらず、基本的にゆるい。それが社交の粋というものかもね。
ホールドは、つないだ手が腰の位置くらいまでに下がっているカップルが多い。回転は通常1小節で180度ずつ回るが、見ていると120度くらいずつという感じ。よって、左回り(リバースターン)の際も足がクロスすることはなかった。

回転の角度などは、舞踏室を真上から映す映像があったため良くわかったのだが、もうひとつ気がついたのは、LOD(ラインオブダンス)は、1列ではなく外周と内周の2列になっていた。舞踏室は立派だが、競技会のような広さは当然なく、せいぜい10メートル四方というところ。無駄なくスペースを使って踊るには2列のLODが最適で、そのためにか舞踏室には中央を示す印(その家の頭文字かも)が付いており、きっちりその回りを回っていた。

まあ全て映画の中でのことで、どの程度考証されているのかはわからないのだけれど。

ウィンナワルツは社交ダンスの中でも最古のダンスで、ステップ的には単純なのだけど奥が深い。我が家では夫婦でダンスについてよく話すのだけど、多分ウィンナワルツについての話題がもっとも多い。
ウィンナワルツについては、まだまだ書きたいことがあるので、そのうちまとめるつもり。

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予告『大使館の食卓』〈ウィーン舞踏会2009〉

NHKドラマ『白州次郎』(→記事有り)を見ていたら、在日米国大使館での舞踏会のシーンがあり、現代でも大使館というのは舞踏会を開くものだろうか?という興味が出ました。

そうしたら、日本でもつい先頃(2009年1月24日)に、オーストリア大使館の主催で「ウィーン舞踏会2009」というイベントが開かれていたことを知りました。
同時にその時の模様が、テレビで放送されることもわかりましたので、自分用メモも兼ねて書いておきます。

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大使館の食卓
BSフジ 3月6日(金) 20:00〜20:55
第57話 特別編 ウィーン舞踏会2009 オーストリア大使館
【再放送】
3月7日(土) 17:00〜17:55/3月13日(金) 20:00〜20:55/3月14日(土) 17:00〜17:55

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・舞踏会の記事(→毎日.jp
番組を見ましたら、また感想を書きます。

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追記
あ、「大使館主催の舞踏会」はちょっと調べた結果、いくつか開かれているみたいですね。
カナダ大使館の「メープルリーフボール」とか。


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『白州次郎』(第一回)

NHKドラマスペシャル『白州次郎』(全三回)の初回放送。
放送前から一部話題になっており、曰く「白州次郎の生涯を初ドラマ化」「あくまで白州次郎というエッセンスを取り出したフィクション」などなど、そんなことからも興味惹かれてのこと。

いや、面白かった。なるほど、こりゃかっこいい。
主演の伊勢谷友介がやたらとかっこいいのだ。
回りの役者もいいし、ロケも素晴らしい。NHKのドラマにありがちなセット臭さもなく、全体に隙のない作りが好印象。残り2回も楽しみだ。

さて、ダンスシーン。
1935年の在日米国大使館主催舞踏会で、次郎の妻・正子が米国大使と踊るウィンナワルツのシーン。
正子を演じるのは中谷美紀で、なかなかきれいに踊っていた。右手はスカートをつまむパターンと通常のダンスホールドの2種類。ドレスは鹿鳴館のような大きなスカートではなく、もっとシンプルなもの(イブニングドレスっていうのかな)。
主要キャストで踊るのは中谷美紀だけだが、回りで踊っている外国人や日本人も大体皆上手に踊っていて良いシーンだった。

あくまでフィクションとのことなので、1935年に本当にこうした舞踏会が開かれたのかどうか、真実はわからないが、この辺の時代でもやっぱり外交の場でワルツは踊られているのだなぁと。

エンドクレジットを見ると「ダンス指導:二ツ森みどり」とある。有名な社交ダンスの先生。
ちゃんとこういうスタッフを用意して撮影すれば、日本のドラマのダンスシーンもいけるじゃん、ということだね。

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追記
と思ったけど、ドラマ『学校じゃ教えてくれない!』のダンス指導が「二ツ森司ダンススクール」だったのを思い出した。あのドラマのダンスシーン、ダメダメだったなぁ……。
やはり制作スタッフのやる気とこだわりにかかってるんだろうね、ダンスシーンのクォリティは。


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