カテゴリー「[スウィング/ジルバ/ジャイブ]」の記事

『理想の女(ひと)』

映画中ペアダンス重要度:★☆


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2004年スペイン、イギリス、イタリア、ルクセンブルク、アメリカ
出演:スカーレット・ヨハンソン、ヘレン・ハント
監督:マイク・バーカー
93分

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原題は「A Good Woman」。
女優の魅力で売りたいと考えた日本の配給会社が付けた邦題は残念ながら50点。
訓話劇というか、江戸人情小咄というか、ストーリーの面白さで引っ張るこの映画のタイトルは、やはり原題の「A Good Woman」が最良です。

オスカー・ワイルドの『ウィンダミア卿夫人の扇』を原作にした作品。舞台は、原作の19世紀末イギリスから、1930年代のイタリアはアマルフィに移し換えられたそうだが、そもそも原作を知らないし、そういった予備知識も無しに見たが、楽しめる作品でした。

ストーリーについてはAmazonその他映画サイトをご覧になるとあらすじが出ておりますのでここでは割愛。

最初は避暑に集う有閑層のドロドロを美しい映像と俳優で見せるだけの作品なのかな、という感じで見ていましたが、意外なストーリー展開(というほどのものではないかもしれませんが、オー・ヘンリー的どんでん返し?)に、「お、そうくるか?」という感じでだんだん引き込まれていきました。

人気のスカーレット・ヨハンソンについてはさほど魅力的とは思いませんでしたが、ヘレン・ハントは素晴らしく魅力的。名うての悪女だが、実は……という役を見事に演じていました。理想の熟女?(笑)

さて、本題のダンスシーン。
物語のクライマックス的シーンの豪華な誕生日パーティで見ることができます。
バンドが演奏するのはテンポの速いスウィングジャズ。混み合ったパーティ会場で銘々が楽しそうに踊ります。
曲はチャールストンのようにも聞こえ、遠景のカップルはチャールストン的な動き(手を回したり、足を前後にポイントするだけのステップ)もやっているようでした。
速い曲なのでテンポの取り方がそれぞれ違っているのが面白いところ。チャールストンもあれば、その場でリズムに合わせて揺れる程度のダンスもあり。

中でもやたらとピッタリとくっついて、やたらと速いテンポで踊る一組のカップルが二度ほど映ります。
むむ、これは、バルボアでは? 私もブログを長く休んでいる間に多少の知識の上積みがありました(笑)。

バルボア(balboa)とは小さく素早く跳ね続けるようなステップと、胸と胸をくっつけるような深いダンスホールドが特徴のスウィングダンスの一種です。私も最近YouTubeで見て知りました。難易度はかなり高そうですが、もの凄く楽しそうなペアダンスです。
日本ではあまり馴染みのないダンスでしょう。

バルボアは1930年代のカリフォルニアでリンディホップから独立して生まれたダンスだそうです。
チャールストンは1920年代と1930年代にかけて、生まれ故郷の米国だけでなく世界中で大流行したダンス。以前、ピカソがチャールストンを踊る記録映像を見たことがあります(あれダリだったかな?)。
今はチャールストンも単体で踊られることは少なく、スウィングの一種として、また競技用のクイックステップの中に一部要素が残っている程度。

この映画はセットや衣装なども非常に凝っており、1930年代の富裕層の風俗を正確に描くことにも注力していて、そんなことから、映画中ほぼ単なる背景でしかない(主要人物は踊らない)パーティのダンスシーンにも、当時の流行の中心であるチャールストンと、最先端ダンスであるバルボア(最先端だから一組だけ)を登場させたのではないかと思います。

そうした細かいこだわりの部分にも好印象を持った『理想の女(ひと)』。上映時間の適切さ(93分。100分以下の映画はそれだけでちょっと評価が上がる・笑)もあって、見ても損はない映画とオススメできます。

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『微笑みをもう一度』

映画中ペアダンス重要度:★★☆

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1998年アメリカ
出演:サンドラ・ブロック、ハリー・コニック・ジュニア
監督:フォレスト・ウィティカー
115分

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tv予告編[→Go YouTube]
→公式サイト

そういえば、サンドラ・ブロックにはあまり魅力を感じたことないのだった。
脚本に惚れ込んで初の製作総指揮に取り組んだという本作。
女性による女性のためのハートフル・ラブストーリーという感想。

TVの公開番組で親友に夫との不倫を告白される……という出だしは、アララと思いながらも引き込まれますが、そこからはもひとつ中途半端な印象もぬぐえない感じ。
田舎に戻って好奇に目にさらされる、というのももっと派手にいじめれば盛り上がるのに、と思ったり。

故郷の同級生ジャスティンが言い寄ってくるのも、あまり好ましい印象は抱けず。かといって、裏切り夫とよりを戻す展開も考えられず。
一人娘との関係を立て直して頑張っていこう、というのはよしとしましょう。

ダンスシーンは町のダンスホールで踊るフォックストロット+スウィングみたいなよく映画で観るダンス。
映画だとこうしたダンスシーンではLODで流れることがあまりないが、このダンスホールではちゃんと反時計回りに列が流れていた。
そんな中で主人公たちはスウィング(ジルバ)で楽しそうに、ターン、ターン、ターン。パーティダンスはかくあるべきと思う。
スライディングドアにウェストターンとダブルターンを足したようなステップは今度真似してみようかなと。
ロックンロールで踊った次には、お約束のチームタイム。二人もぎゅっとしてイイ感じ。

同じ曲でもカップルによって違うダンスをするのは、その時の気分次第でとても良いことだと思う。また、ダンスの種類に捕らわれずに、曲に合わせて(リズムじゃなくてメロディに)踊るのはもっと良いことだと思う。
とにかく私もパーティダンスでは相手と自分が楽しいダンスを心がけたい。

もう一ヶ所、ダンスの場面は、アルツハイマーの父を病院に見舞うシーンで。
もう娘のこともわからなくなっているかもしれない父が、両手を広げて娘を向かえ入れるシーン。ハグするのかと思いきや、ダンスホールドで揺れるように踊る父娘。
不思議な印象も残るけど、穏やかな良いシーン。

ダンスホールで「ダンスはカンバセーション(会話)だよ。だから僕と踊ろう」というシーンもあり、ペアダンスは言葉の要らないコミュニケーションというのが、この作品の裏テーマでもある。

ところで、原題の『HOPE FLOATS』は、絶望していた主人公が気持ちを立て直して、沈んでいた希望を浮き上がらせるという意味なんだろうけど、もう一つ、ラストシーンで新しい家族が町のお祭りで見つめるフロート(山車)にもかかっているのかも、と気がついたつもりになっているのですが、どうでしょう。

 

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『ニューヨーク・ニューヨーク』

映画中ペアダンス重要度:★

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出演:ライザ・ミネリ、ロバート・デ・ニーロ
監督:マーティン・スコセッシ
164分

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ニューヨーク市のテーマソングにまでなった同名のヒット曲の元はこの映画だったのですね。
ラストのライザ・ミネリによるこの曲の熱唱シーンは確かに見どころです。
でも、私はロバート・デ・ニーロ演じるサックスプレーヤー・ジミーがまったく好きになれず、気味の悪さまで感じてしまい、前半で打ちのめされたので楽しめませんでした。
後半にはミュージカルシーンも多く、ライザ・ミネリの素晴らしい歌を聴けるのですが、唐突な感じも否めず。

ダンスのシーンは多くあります。
バンドで巡るのは全米各地のダンスホールで、そこではスウィングジャズに合わせて踊るフォックストロットやスウィングが見られます。
1945年の終戦後のアメリカの音楽の好みの変化なども見て取れます。
また、ミュージカルのシーンでもダンスシーンはあります。

それにしても、やりすぎて嫌悪感すら感じてしまうデ・ニーロの演技は、やはり狂気の暗殺者や暗黒街の帝王にこそ向いていて、ミュージカル・ラブロマンスには向かないのではと思いました。あー、残念。

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『上海バンスキング』

映画中ペアダンス重要度:★★

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1984年日本
出演:松坂慶子、風間杜夫
監督:深作欣二
121分

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昭和11年(1936年)、忍び寄る戦争の暗い影から逃れるように上海に来たジャズメンと新妻の運命に翻弄される姿を明るいジャズにのせて描く。

東洋ジャズのメッカである上海のダンスホールでのジャズバンドとダンスショーのシーンは派手で楽しいが、これは最初と最後の2回だけ。後は上海事変に日中戦争、そして太平洋戦争と暗い内容が続く。

松坂慶子の印象は今もさほど変わらないが、志穂美悦子が懐かしすぎる。二人が歌い踊るシーンはちょっと『シカゴ』(ミュージカル)みたい。
tv[→Go YouTube](こちらは映画のシーンではないがレア映像)

また、ダンスホールでお客たちが踊るのはフォックストロット(ブルース)。フォックストロットってやっぱりジャズで踊るものなんだなということがわかる。
あ、あとタンゴのシーンがあったな。松坂慶子と陸軍の軍服が格好いい夏八木勲。

昨日、テレビ放映されたものを見てから、YouTubeで検索したら、この映画のシーンがセブンイレブンのCMに使われているものが出てきた。おぉ、コレ見たことあるぞ、と。25年ぶりの記憶が蘇った。YouTubeも凄いが、脳も凄いな(笑)。
tv[→Go YouTube]


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『ビューティフルメモリー』

映画中ペアダンス重要度:★★★★☆

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2005年アメリカ
出演:ロバート・カーライル、マリサ・トメイ
監督:ランドール・ミラー
103分

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tv予告編[→Go YouTube]

ダンス映画ではないが、ダンスが大きなモチーフになっている映画。
でもそんなことは『ビューティフルメモリー』という邦題からはまるでわからない。日本の配給元はこの映画を癒し系感動映画として売りたかったみたいでこんなタイトルにしたけどあまりにも当たり障りなさ過ぎるし、あんまり映画の内容に即しているとも思えないのだ。

原題は『Marilyn Hotchkiss' Ballroom Dancing and Charm School』。
Marilyn Hotchkisは人の名前で「マリリン・ホチキスの社交ダンスと礼儀作法の学校」ということ。よほど原題の方が合っているし面白い。ホチキスがまずかったのかな(商標とか)?

この学校は1960年代から、子どもたちにダンスと礼儀作法を教えている。いやダンスを通じて礼儀作法を教えているというべきか。
そして今も、先生は代替わりしたが、ダンス教室として続いている学校だ。

映画は主にこのダンス学校を舞台に、1964年と2005年という二つの時代を行き来するという構成。

ダンスシーンはふんだんに用意されている。
1964年では、こまっしゃくれた子どもたちが正装してのダンスシーン。といってもワルツでヘジテーションをずっと繰り返すというような簡単なものだが。

2005年では主人公が最初に出たレッスンでやったのが、なんと「リンディホップ」。
劇中では「ウェストコーストスウィングとチャールストンの融合で生まれたダンス」と説明されていて、私が習っている教室では単にスウィングと呼んでいるダンス。ただし映画の方がちょっと上級のトリプルステップの連続だったが。
日本で言えば、ジルバとジャイブの中間のようなダンスという感じか。ジルバのS(スロー)に一歩足してトリプルステップになる。ジャイブのベーシックと同じだが、ジャイブのように腿を高く上げて踊るわけではない。

主人公はこのダンスがよほど楽しかったらしく、ここから人生がちょっとずつ前向きに変わっていく。
私も覚えがあるなぁ。最初に一通りダンスを習ってなんといっても楽しかったのがスウィングだった。ステップが簡単でノリが良く、リーダーはリードの喜びを、フォロワーはクルクル回る楽しさをいきなり味わえるダンスだ。

ただ、主人公ノリノリになりすぎて教室で暴走してしまう。妻を亡くして暗い日々を送っていた彼がはじけてしまったのだ。
彼にダンス教師が言う。「ダンスは劇薬みたいなものよ。正しく使えば心を晴らし人生バラ色。ただしそれには試練に立ち向かわなければならない。あなたにその覚悟はある?」(筆者超訳)という深いお言葉。ダンスの魅力(魔力?)に取り付かれた者なら皆納得の言葉と思う(ただし解釈は各自色々かも)。

次のレッスンで踊ったのは、これまた「メレンゲ」。
メレンゲはドミニカのダンスで単純な二拍子で踊るダンス。ここでもリンディホップの時と同じくダンス教師によりダンスの発祥が語られるが、教師の不思議なキャラクターと相まってなかなか面白い。
メレンゲはステップが単純ななだけにヒップモーション(キューバンモーション)のノリノリの動きが不可欠。サルサクラブでは、密着度の高いダンスとして人気で、夜が更けてくるほどかかる比率が高くなるのだ(笑)。
普通の社交ダンス教室ではサルサ同様、レッスンされることはまずないだろうが、私の通う教室では時々出てくるダンス。ただし、サルサクラブのそれとは異なり、ライトなダンスとして踊られている。映画中のシーンもそうで、皆明るく楽しく、さほど凝ったステップはまるでなくとも、満足げに踊っていた。

ストーリーについては、細々書かないが、私としてはとてもいい映画だと思う。
派手さはまるでないし、渋い演技派は多いが有名キャストというわけでもない。
でも、ちょっとしたきっかけで霧が晴れるように人生を変えていく主人公の手助けをしたのが、ペアダンスというのが嬉しい。
また、もう一人の主人公というべき男(1964年の学校に通っていた少年の40年後)の人生におけるもっとも美しい思い出が、好きな子とダンスをしたことだったというのも嬉しいこと。
そんなわけで、当ブログ的には、隠れた名作を見つけた気分。

でもそんな良作も日本の配給会社にかかれば「全米が泣いた!」という陳腐すぎるフレーズとともに、当たり障りのなさ過ぎる邦題に改変されて、結局必要な人に届かない映画になっちゃってるんだよな。

これは、ダンス好き、特にペアダンス好きにこそ観てほしい作品。そのように宣伝すべきなのだ。


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『マスク』

映画中ペアダンス重要度:★★☆

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1994年アメリカ
出演:ジム・キャリー、キャメロン・ディアス
監督:チャールズ・ラッセル
101分

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tv 予告編[→Go YouTube]

昨日、テレビで放映。確かペアダンスシーンがあったはずと、見てみたところやっぱりありました。

緑色のマスクの怪人がキャメロン・ディアスと踊る踊る。
ダンスの種類としては「スウィング」。曲はRoyal Crown Revue『Hey Pachuco!』。
tv[→Go YouTube]

スウィングは、日本ではパーティーダンスとしてジルバ、競技用としてはジャイブとなるが、私の解釈ではスウィングはそれらを総称したものだ。
リンディホップ、チャールストン、ジッターバグなど1920-40年代に流行したさまざまなダンスもすべてスウィングの中に要素として含まれる。
私の通うアメリカンスタイル社交ダンスの教室では、スウィングは最初ジルバと同じように習うが、難易度を上げると(または曲調によって)トリプルステップといって一歩ずつ多いステップとなる。要するにこれがジャイブ。
スウィングは誰でも踊れる簡単なステップから、速く複雑なステップ、さらにはさまざまなリフト技までを含む、奥の深いダンスなのだ。

マスクでもスウィングのさまざまな要素、例えばリンディホップなどの代表的なステップを見せてくれる。
コミック的表現をCG合成で見せるスラップスティック・コメディだが、ダンスシーンは意外と見どころ。
このスウィングの他に、警官隊に囲まれながら踊るラテンダンス(サンバかな?)もある。ミュージカル的な演出をもっとしてもよかったのにと思う楽しさがある。
tv[→Go YouTube]

昔最初にこの映画を見た時は、キャメロン・ディアスが客たちを誘惑するように踊るシーンに衝撃を受けた覚えがある。要するにスゲーやらしい!と思ったわけだ(笑)。
でも今回改めて見てみたけどさほどでもなかった。でも、無名の新人だったキャメロン・ディアスはこの映画をきっかけにスターになる。やっぱり私と同じようにハートを打ち抜かれた男が多かったとみえる。

ついでにもう一つ。
キャメロン・ディアスでダンスシーンと言えば、ソフトバンクのCMが好きだ。
シリーズ化されているCMだが、私の好きなのは、パーティ会場で男性のリードを受けながら電話をしているというCM。曲はSwing Out Sisterの『Breakout』。
tv[→Go YouTube]

そのさりげなくも華麗で流麗なリードが素晴らしい。正確に言うとダンスとは言えない(キャメロン・ディアスは歩いているだけ)が、私もリーダーとしてかくありたいと思わせられるリードだった。

この話をダンス教室でしたところ、このCMに出ている男性ダンサー、なんとアメリカで長年ダンサーとして活躍されてきたウチの先生の知り合いだという。ダンス業界が狭いのか、先生の顔が広いのか。でもなんとなく嬉しいエピソード。

ペアダンスの魅力はいろいろあるが、リーダー(男性)にとってはリードが通じた時の快感は大きい。そのマジカルな世界を端的に表現しているのがこのCMだと思う。


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『きみに読む物語』

映画中ペアダンス重要度:★★★

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2004年アメリカ
出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス
監督:ニック・カサヴェテス
123分

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tv予告編[→Go YouTube]

原題は『The Notebook』。
現在と過去のシーンを行き来する、認知症をテーマにした恋愛映画。
ダンス映画ではないが、ダンスシーンは重要かつ効果的に登場する。
恋愛や日常に深くダンスが根ざしているこうした世界に思わず羨望を覚える。

主人公たちの若かった頃の時代は第二次世界大戦前後で、出会いの場面は1940年が舞台。
アメリカ南部の避暑地・シーブルックで青年ノアが少女アリーに恋をする。
その最初のセリフが「踊りに行かない?」要するにナンパの常套句であろう。日本じゃ「お茶」かせいぜい「カラオケ」だ。
ここでは誘いに失敗するのだが、強引な手法(笑)でデートに成功。一気にお互いに夢中になる二人。

最初のダンスの場面は、真夜中の町中の交差点。
「音楽は?」と尋ねるアリーに「歌えばいいさ」とこたえてゆっくりと踊る二人。
ペアダンスに必要なのは、ダンスホールでもダンスシューズでもない。ましてや音楽ですらない。相手がいればダンスはできる。音楽は自分の中から出せばいい。
とても素敵な場面だと思う。私も改めてペアダンスの魅力に気づかされた。

次のダンスは紆余曲折あって7年後。身分違いだった二人は別れ、アリーはハンサムで金持ちでダンスのうまい男と婚約する。そのプロポーズの場面が、スウィングジャズの生バンドで踊るスウィング(ジルバ)だ。
ホテルかレストランか、テーブル席とバンドの前にスペースがあってそこで踊れるようになっている。
アリーの両親も楽しげに踊るその場面も、なかなか楽しめるダンスシーンだ。

最後は現代に戻って、年老いた二人が思い出の曲でダンスを踊る。最初の真夜中の交差点でのダンスだろうか? 種類としてはスタンダードポップス(曲は今度調べておきます)でゆっくり踊るフォックストロット(ブルース)。といってもこうしたダンスシーンでは大体いつもチークダンスで体をゆらすだけになるのだが、それもいい。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、映画中最も盛り上がる(泣ける)場面だ。

回数も時間もダンスシーンは決して多くはないが、とても印象的だったのは私的に高評価。ただ、映画としては、どのキャラクターもさほど好きになれずで、もちろん悪くは無いのだけれど、例えばAmazonのカスタマーレビューほどにはノレない私もいる。
ダンスシーンのために映画を見始めてからは、ずいぶんとこうしたラブロマンスにも慣れてきたのだけれどね(笑)。


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ブロードウェイ・ミュージカル『スウィング!』2008来日公演

映画じゃないけどペアダンス重要度:★★★★☆

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(DVD未発売につき、CDを紹介)
スウィング!
〜オリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング〜
2008年
21曲(76分)


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(この記事は2008年8月18日にmixiで書いた日記の再録です)

先週の金曜日に見に行ってきました。渋谷のオーチャードホール。
1万2000円のチケットにちょっとビビって、やめようかと思っていたけど、割引チケットが買えたので。
個人的に「ペアダンスを始めるきっかけ」というのに興味があって、それはやっぱり映画だったり舞台だったりすることが多いのです。その中でもこの『スウィング!』は強力な動機になっている人もいるようなので、ぜひ見ておきたいなと。

まとまった文章で感想を書けるほど目が肥えていないので、箇条書きにて。

・席はかなり後の方で残念だったけど、十分に楽しめました。ダンスの全体像を見るには良い席。

・ダンス目的だが、音楽が素晴らかった。バンドと歌手たちに大拍手。

・事前に予習のテレビ番組を見ていったので、エースダンサーのエクスタインとマリアのペアに注目。うはーやっぱりスゴイや。キレキレ。でも動きにキレがありすぎて機械のよう。彼らにしかできない動きというのも多そう。

・好みから言ったら、前半にエクスタイン・ペアとダンスバトルをしたペアが好き。ルンバやチャチャ、サンバなどもちょっとずつ披露してくれたので。柔らかさもあって、踊ってる!って感じがした。確かにエクスタイン・ペアと比べたら、リフトのキレはないのだけど。

・基本的にダンスのペアは崩さないのも好感。

・そして、それぞれのペアごとにきちんと個性があって、それを見せてくれたのがよかった。特に女性ダンサーたちはわかりやすくキャラクターが異なってグッド!

・ソロダンスだったが、コントラバス(ジャズだからウッドベース?)の精のようなアレ、夢に見るね(セクシーで)。っていうか夢に見たことをそのままダンスにしたのかも。

・もう一つ、ソロダンスでピアノの上で踊るアレ。長身ブロンドで目立っていた女性ダンサーの見せ場。いわゆるジャズダンス的な動き。足を上げた時に足首が曲がるか伸びるか(笑)。

・ウチの奥さんは強烈な美意識の持ち主なので(笑)、スウィングのリフト時の女性の足の曲げ方(膝も足首も90度みたいな)が嫌いらしく、ありえねーとのことでした。私としてはキャラクター(曲)に合っていれば、いいのではと思うのですが、絶対やらないと(誰もやれとは言ってませんが・笑)。バレーの影響とかダンスの成り立ちにも興味がありますが、なかなかいい本がありません。

・スウィング・ジャズは基本的にダンスミュージックなので、聞いていて踊らない方がおかしいのです。オーチャードホールのような上品なホールできちんと座って見るのはツライかも。オールスタンディングのアリーナでやってくれればと思います。

・ウチに帰ってからCDを聞き直しましたが、歌手が違うのでずいぶんとイメージが…。メインキャストのチャーリーは歌もタップも素晴らしい〜  CDの歌手よりも断然好みです。トランペット二本吹きは面白いけど特に意味無し(笑)。で、このチャーリーさんはウチのダンスの先生の友人(ミュージカルで共演)とのことでした。先生は凄いなぁ〜!

・もうちょっと歌詞がわかればなぁ。楽しい曲ばかりだし、ストーリーはほぼないので、英語がわからなくても問題はないのですが、一応でも何を歌っているのかわかった方が楽しいに決まってます。予習で見ておいたテレビ番組(題名のない音楽会)で聴いた「Stompin' At The Savoy」は、その時に訳詞を見ており、そんなこともあって余計に思いました。といっても舞台に字幕装置を置くほどじゃないですけどね。

・ペアダンスの華はやっぱりリフトだなーと思いました。難しいステップも正しいホールドも、派手なリフトの前には吹っ飛びます。いや、私がリフト技を覚えたいということではなくて、プロのペアダンス、食うためのペアダンスということを考えた時、このスウィングのリフトは大あり。つまりJSDTの方向性は絶対に間違ってないと改めて思いました。この辺のことはまた改めて。

ちょっと高かったけど、見に行ってよかった。楽しくて素晴らしい。最後の盛り上がりには感激。こうなると秋の「フロアプレイ」も楽しみだぁ!

(※時々過去のダンス関連日記を再録していきます)


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“プロム”って

プロムというのは、アメリカの卒業ダンスパーティのことらしい。
青春映画、学園映画でよく見かけるアレだ。

疑似社交界のような状況は、端から見る分には面白いが当事者だったらタマランだろうと思う(笑)。
Wikipediaによれば、もてないヤツが集まって「アンチ・プロム」を開くらしい(歪曲)。

プロムシーンが登場する映画リストも載っているので、興味のある方は参照のこと。
→Wiki

プロムはカップルが絶対条件。だからダンスもペアダンス。といっても面倒な社交ダンス種目のようなものはあまり踊らないのではないかと思われる。パーティダンスとせいぜいワルツくらいか。現代のプロムはクラブミュージックが主体のようだ。

プロムシーンが登場する映画、私が観た中から1本紹介しよう。

 

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

映画中ペアダンス重要度:★

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1985年アメリカ
出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド
監督:ロバート・ゼメキス
114分

 

いわずと知れた有名作品。中学生の頃から何度となく観ているなぁ。
1955年にタイムトラベルした主人公マーティが同世代となった父親や母親と出るパーティが「魅惑の深海ダンスパーティ」と名付けられたプロム。
ロックンロール誕生の場面があるように当時はロック以前のスウィングジャズなどで踊っていたようだ。ダンス種類からいうと「スウィング」(日本でいうジルバ)とか。結構アクロバティックなこともやっているが、映るのは一瞬。

ちなみに『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』では、1855年西部開拓時代が舞台で、町のお祭りでダンスパーティのシーンがある。
踊られるのは「ポルカ」や「スクウェアダンス」や「ワルツ」。
どの時代でもアメリカではペアダンスが綿々と踊られていたのだなぁ、と。

tvポルカ [→Go YouTube]


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