カテゴリー「[フォックストロット/ブルース/スローリズムダンス]」の記事

『ボディガード』

映画中ペアダンス重要度:★★

41sohvsp7ql_sl500_aa240_ 1992年アメリカ
出演:ケヴィン・コスナー、ホイットニー・ヒューストン
監督:ミック・ジャクソン
130分

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原題もそのまま『The Bodyguard』。
日本で大ヒットとなったのは、ケヴィン・コスナー人気もさることながら、ホイットニー・ヒューストンの歌う主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」が特に人気を博したから。

その有名な主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー(I Will Always Love You)」は、実はカントリー曲のカバーなんだそうだ(1974年ドリー・バートン:巨乳で有名でクローン羊ドリーの名前の元ネタになったらしい。どうでもいいトリビア)。

劇中、その原曲(ゆったりしたテンポ)の方で踊るシーンがある。
場所は主演の二人がデートに行った庶民的なレストランバー(ウェスタン調)みたいなところ。
食事をするスペースとダンスをするスペースは別の部屋(ガラスでしきられた隣)で、ここはダンスやビリヤードを楽しめるプレイルームという感じの部屋。
踊っているダンスはいわゆるチークダンス(スローリズムダンス)。

ケヴィン・コスナーとホイットニー・ヒューストンもゆったりとリズムに体を揺らす。
こうしたシーンではお約束的な会話、女性の方が「ダンス上手なのね」というヤツ。そんなに上手じゃなくても、リズムにのって余裕を見せればそう言ってもらえるらしい。というか、必ず言ってほしい(笑)。
ま、映画的にはそこでの会話のキモは、二人が歌詞の内容を聞いて笑い合うというところなのだが。

海外では食事とダンスが楽しめるお店が普通にあるようで、実にうらやましい。
私はとにかくペアダンスが好きで、たくさん踊れるパーティ形式のイベントもいいのだが、本当はちょっとした時にペアダンスが踊れるといいのになぁと思っている。
例えばレストランとかバーとかで、お酒や食事を楽しんだついでに1〜2曲ダンスも楽しむ、といったシチュエーションだ。
日本ではそうした場所はほぼない。海外ではダンスが日常的にあるのだなと、つくづくうらやましい。

映画でのペアダンスのシーンはそれだけ。
なんかサスペンスは無理矢理盛り上げる感じだし、二人のロマンスも急すぎる上にあっさり終わるしで、駄作とまでは言わないが、大ヒットはなぜ?という感じ。
ホイットニー・ヒューストンは、このあと公私ともに苦労を重ねたようだが、最近になって大復活を遂げたようで、まずはめでたい。また映画でもその素晴らしい歌声を聞かせてほしいものだ。

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『トワイライト〜初恋〜』

映画中ペアダンス重要度:★★

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2009年アメリカ
主演:ロバート・パティンソン、クリステン・スチュワート
監督:キャサリン・ハードウィック
122分
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映画ブログなのに映画館に滅多に行かない私が映画館で観てきましたよ『トワイライト〜初恋〜』。

よりによって、こんな乙女しか見に行かないような映画を選んで観に行くとは、いよいよ私もどーかしてます。
でも、なんかレーダーが働いたのです。「これは踊るな」と(笑)。

さて、ダンスシーン、やっぱりありましたよ。
主人公たちは高校生なので、アメリカで高校生と言えば「プロム」です。
卒業式とかのダンスパーティですね。
『トワイライト』でもプロムで二人が踊りました。
でもヒロインは足骨折によりギプスなので、彼の足に両足を乗せる感じでチークダンス。
ずっと「ダンスは苦手よ」と言っていた彼女なので、これはこれでいいかなと。

ダンスシーンはそれだけですが、映画としても十分楽しめました。
「究極の純愛映画」とかっていう惹句ですが、どちらかというと「究極の禁欲映画」って感じ? だって、彼の方は理性のタガが外れちゃうと、彼女を餌にしちゃうか吸血鬼にしちゃうかなんですからね(あ、ネタバレ?)。

映像が常にお洒落で美しく(ゴスって感じ?)、バカバカしいところもありましたが、全体的によくできているんじゃないかな、と。

一番のネックは、主人公のヴァンパイアくんが美形に見えるかどうかですね。
角度によってはかなりいいんですけど、結構微妙な顔立ちです。
少なくとも“人外”という感じはしますね。

ヒロインは目立たない少女って設定ですけど、十分すぎるほど美少女です。
いや美少女って言うには十分成熟していて、確かにこれはヴァンパイアならずとも“美味しそう”と思うに違いありません(笑)。

ヴァンパイア一家の他のキャラクターや、悪い吸血鬼のリベンジや、狼族(カッコイイ)など、間違いなく続編が作られるだけの要素がたっぷり。
ハリーポッターで育った少女が観て妄想を膨らますには、とってもよい映画だと思います。

それにしても〈ヴァンパイアのルール〉を考えた人は天才的だなぁ……。


 

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『ブロークバック・マウンテン』

映画中ペアダンス重要度:★

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2005年アメリカ
出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール
監督:アン・リー
134分

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劇場に観に行ってもいいなぁと思っていたけど、結局行かず、今頃になってDVDにて鑑賞。
期待してみたが、期待に違わぬ良い映画だった。
第一に美しい映画だと思う。淡々とした描写が多く、無理に引っ張るようなストーリーはないが、美しい映像となにより主演の二人の演技力で魅せる作品。

映画そのものについては、ここでは語らない。あくまで当ブログは映画の中のダンスシーンを紹介するのがテーマ。
『ブロークバック・マウンテン』の中のダンスシーンは数カ所あるが、重要なシーンではないし、なによりイニスとジャックは踊らない(残念・笑)。

ダンスシーンはどれも酒場で踊られるもので、カウボーイは意外とダンス好きっていうことがアメリカ映画を観ているとよくわかる。
踊られるダンスはカントリーダンス。
カントリーダンスはカントリーミュージックで踊るダンスで、なんとなくアメリカ中西部や南部という田舎のイメージがあるけど、実態はもっと幅広いもののようだ。カントリー・バーやホンキートンクと言われる酒場には必ずビリヤード台とダンスホールがあるのだそうだ。

カントリーダンスにはラインダンスとペアダンスがあって、ラインダンスは振り付けで踊り、ペアダンスには「ツーステップ」という代表的なダンスのほかワルツ、スウィング、チャチャ、ポルカ、チークダンスなどがあるんだそうだ。

ラインダンスは、例えば西部開拓時代が舞台の『バックトゥザフューチャーPART3』や『風と共に去りぬ』など見ることができる。
ペアダンスも『微笑みをもう一度』ではスウィング、『ツインズ』ではワルツを見ることができる。
『ブロークバック・マウンテン』でも、ポルカやワルツが見て取れる。
要するに、アメリカの田舎で踊られるダンスシーンの多くはカントリーダンスというくくりに入るわけだ。

アメリカでペアダンスといった場合、都会では社交界の舞踏会以来の社交ダンス的なものが、田舎ではカントリーダンスがあって、全米各地ではそれが適度に混じり合ってその世界をなしているのではないかな。
私はたまたま社交ダンス的な視点で、アメリカ映画の中のダンスを捉えようとして、これはスウィングかフォックストロットか?みたいなことを延々と書いてきたけど、カントリーダンスだと言ってしまえば解決なのかも(笑)。

私が習っているアメリカンスタイル社交ダンス。その「アメリカンスタイル」というのは競技スタイルの対比(インターナショナルスタイルと対)としての言葉だが、それは狭義のものにすぎないんじゃないのかな、と最近思う。
アメリカの歴史の中で、移民や奴隷が持ち寄ったさまざまなダンスと音楽が混じり合い、新しい音楽(ジャズやロック)とともに新しいダンスを生み、高め合い熟成されていったもの……。それがアメリカンスタイルのダンスで、そこにはアメリカ的な多様性と自由が含まれているでは、とちょっと頭でっかちではあるがそんなふうに思う。

社交ダンスの世界ではあまりにもスタンダード(規範という意味で使用)をイギリスに求めすぎている。そりゃ確かに競技ダンスとしてのルールブックはイギリス人がまとめたし、それによって社交ダンスは世界に広まったのかもしれないけど、ダンスそのものの持っていた多くのものを殺してきた歴史でもあるのでは、と楽しそうに踊る人々(例えばカントリー・バーで踊るアメリカ人、結婚パーティで踊るフランス人、タンゴフェスで踊るアルゼンチン、朝の公園で踊る中国人)を見ているとそんなことを思ったりする。

踊るという行為を多くの人たちから遠ざけてしまうようなダンスは罪だと思う。競技などを通じて高みを目指していくことはジャンルにとって大事なことだと思うが、同時に入り口は広く敷居は低く底辺は広くなければならないと思う。
たぶん、こんな状況は日本だけのことなのかもしれませんが。

参考
カントリーダンスとは?
カントリー音楽とカントリーダンス

 

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『微笑みをもう一度』

映画中ペアダンス重要度:★★☆

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1998年アメリカ
出演:サンドラ・ブロック、ハリー・コニック・ジュニア
監督:フォレスト・ウィティカー
115分

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tv予告編[→Go YouTube]
→公式サイト

そういえば、サンドラ・ブロックにはあまり魅力を感じたことないのだった。
脚本に惚れ込んで初の製作総指揮に取り組んだという本作。
女性による女性のためのハートフル・ラブストーリーという感想。

TVの公開番組で親友に夫との不倫を告白される……という出だしは、アララと思いながらも引き込まれますが、そこからはもひとつ中途半端な印象もぬぐえない感じ。
田舎に戻って好奇に目にさらされる、というのももっと派手にいじめれば盛り上がるのに、と思ったり。

故郷の同級生ジャスティンが言い寄ってくるのも、あまり好ましい印象は抱けず。かといって、裏切り夫とよりを戻す展開も考えられず。
一人娘との関係を立て直して頑張っていこう、というのはよしとしましょう。

ダンスシーンは町のダンスホールで踊るフォックストロット+スウィングみたいなよく映画で観るダンス。
映画だとこうしたダンスシーンではLODで流れることがあまりないが、このダンスホールではちゃんと反時計回りに列が流れていた。
そんな中で主人公たちはスウィング(ジルバ)で楽しそうに、ターン、ターン、ターン。パーティダンスはかくあるべきと思う。
スライディングドアにウェストターンとダブルターンを足したようなステップは今度真似してみようかなと。
ロックンロールで踊った次には、お約束のチームタイム。二人もぎゅっとしてイイ感じ。

同じ曲でもカップルによって違うダンスをするのは、その時の気分次第でとても良いことだと思う。また、ダンスの種類に捕らわれずに、曲に合わせて(リズムじゃなくてメロディに)踊るのはもっと良いことだと思う。
とにかく私もパーティダンスでは相手と自分が楽しいダンスを心がけたい。

もう一ヶ所、ダンスの場面は、アルツハイマーの父を病院に見舞うシーンで。
もう娘のこともわからなくなっているかもしれない父が、両手を広げて娘を向かえ入れるシーン。ハグするのかと思いきや、ダンスホールドで揺れるように踊る父娘。
不思議な印象も残るけど、穏やかな良いシーン。

ダンスホールで「ダンスはカンバセーション(会話)だよ。だから僕と踊ろう」というシーンもあり、ペアダンスは言葉の要らないコミュニケーションというのが、この作品の裏テーマでもある。

ところで、原題の『HOPE FLOATS』は、絶望していた主人公が気持ちを立て直して、沈んでいた希望を浮き上がらせるという意味なんだろうけど、もう一つ、ラストシーンで新しい家族が町のお祭りで見つめるフロート(山車)にもかかっているのかも、と気がついたつもりになっているのですが、どうでしょう。

 

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『あなたに恋のリフレイン』

映画中ペアダンス重要度:☆

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1991年アメリカ
出演:キム・ベイシンガー、アレック・ボールドウィン
監督:ジェリー・リース
116分

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原題は『THE MARRYING MAN/TOO HOT TO HANDLE』。
キム・ベイシンガーがこんなに歌が上手いとは知りませんでした。ジャズボーカルは色っぽくて情感たっぷり。ナイトクラブで歌う「Let's Do It」は必見です。
tv[→Go YouTube]
何の気無しにテレビで放映されているのを観ましたが、なかなか面白い映画でした。

ジャンルとしてはラブコメディでしょうか。全編に流れるお洒落なジャズと小粋なセリフにちょっとドタバタ。
4度も同じ相手と結婚を繰り返すというストーリーですからね。もう、いろいろ大変です(笑)。
脚本のニール・サイモンはブロードウェイを代表する喜劇作家で、私の好きな三谷幸喜に大きな影響を与えた人だそうです。なるほど、そりゃ私が面白く観られるはずだな、と。

映画の舞台は1948〜56年のアメリカ。この時期を描いた作品にペアダンスが登場する確率はかなり高いですね。
といっても、この映画ではごくわずかです。
劇中では冒頭のパーティでアレック・ボールドウィンが婚約者と踊る場面があります。スウィングジャズで踊るのは、映画でよく見るフォックストロット(ブルース)ともスウィング(ジルバ)ともつかないタイプのダンスです。

楽しそうに踊る二人はじゃれ合うようにするステップ「ターンアウト・ターンイン」はどんなダンスの時も映画でよく見るステップです。
私もサルサのデモで教えてもらってから、どのダンスでもチャンスがあれば入れようと思っているステップですが、これがやっぱりちょっと親密でないとしにくいステップかもしれません(笑)。

ダンスシーンは最後の方のやはりパーティの場面で多分マンボを踊っているのが少し見えます。屋外のダンスパーティですからラテンが楽しそうです。

あ、そうそう、英語で「Dance Party」っていう言葉は基本的に使わない言葉なんだそうです。というのは「Party」には常にダンスが付きものだからわざわざ言わないということらしいです。あえて「Dance Party」という場合は、他の例えばカクテルパーティとか仮装パーティとかそういうものとの比較で使うというのをなにかで見ました(うろ覚え)。
こういうところから、欧米とのダンスに対する文化の違いを感じますねー。


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『ニューヨーク・ニューヨーク』

映画中ペアダンス重要度:★

51vr1odmhbl_sl500_aa240_ 1977年アメリカ
出演:ライザ・ミネリ、ロバート・デ・ニーロ
監督:マーティン・スコセッシ
164分

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ニューヨーク市のテーマソングにまでなった同名のヒット曲の元はこの映画だったのですね。
ラストのライザ・ミネリによるこの曲の熱唱シーンは確かに見どころです。
でも、私はロバート・デ・ニーロ演じるサックスプレーヤー・ジミーがまったく好きになれず、気味の悪さまで感じてしまい、前半で打ちのめされたので楽しめませんでした。
後半にはミュージカルシーンも多く、ライザ・ミネリの素晴らしい歌を聴けるのですが、唐突な感じも否めず。

ダンスのシーンは多くあります。
バンドで巡るのは全米各地のダンスホールで、そこではスウィングジャズに合わせて踊るフォックストロットやスウィングが見られます。
1945年の終戦後のアメリカの音楽の好みの変化なども見て取れます。
また、ミュージカルのシーンでもダンスシーンはあります。

それにしても、やりすぎて嫌悪感すら感じてしまうデ・ニーロの演技は、やはり狂気の暗殺者や暗黒街の帝王にこそ向いていて、ミュージカル・ラブロマンスには向かないのではと思いました。あー、残念。

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フォックストロットについて語ってみる

私が通っているのはアメリカンスタイル社交ダンスの教室
まったくの初心者だった私は、アメリカンスタイルもなにも、社交ダンスにスタイルの違いがあるなんてことも知らなかった。
でも、やっているうちに、どうも日本でいう社交ダンスというのは、インターナショナルスタイルで、私の習っているものとはちょっと違うということがわかってきたのだった。

昔からビデオはベータ、パソコンはMacと何かを選ぶと必ずマイナーな方に行く私の宿命は、またもドマイナーな方へと流れたわけです。
日本の社交ダンスの99.9%はインターナショナルスタイル。アメリカンスタイルは私の通うJSDCの他、ほんのいくつかの教室でやっているだけ(アーサーマレーとか)。
でも、マイナーだから劣っているということではないことを、身をもって知っている私は(笑)、かえって社交ダンスへの興味をつのらせたのでありました。

で、近所のダンス教室やサークルにちょっと行ってみたりして、なるほどこりゃ違うもんだということが良ーくわかった。
たとえば、近所のダンス教室で「今までに何を習った?」と聞かれた私は「フォックストロットの初級を受けました」と言ったところ、「え、スロー? スゴイわね、もうそんなのやってるんだ」と驚かれた。だが、実際にやってみせたら変な顔されて「それはブルースねぇ……」と。

その時はわからなかったのだが、インターナショナルスタイルにはフォックストロットという種目はない。あるのは「スローフォックストロット」(単に「スロー」もしくは「スローフォックス」とも)という、どうやら非常に難しいとされているダンス。
それとは別に、いわゆるパーティダンスと言われ、競技にはない「ブルース」というダンスがあるのだ。

私の通う教室では「フォックストロット」はモダン(スタンダード)の基本種目としてできるだけ最初に習うことが望ましいとされている。
フォックストロットを習ってからワルツやタンゴを、さらにフォックストロットのクラスが初中級まで上がったらクイックステップが習えるようになっている。

自分でいろいろ調べたところ、クイックステップは元々「クイックステップフォックストロット」という名前なんだそうだ。
フォックストロットというダンスが、その後インターナショナルスタイルで競技化されるうちに速いテンポのダンスが「クイックステップ」に、遅いテンポのダンスが「スローフォックストロット」へと分かれた、ということらしい。
だから、インターナショナルスタイルの教室ではフォックストロットというダンスはない。
ブルースは入門向けのパーティダンスとして少し習う程度で、継続的に習得していく種類のダンスではないと考えられているようだ。

アメリカンスタイルにおけるフォックストロットは前述のようにモダン種目の基礎。ヒール・トゥを使った歩き方の基本から、ホールドを固めていく段階のダンスとして習う。
最初はいわゆるブルースと同じようなステップから(クォーターターンは第二段階だけど)。でも徐々にステップを増やしていき、中級レベルになってくるとスローフォックストロットと同じようになってくる(らしい。私は初中級レベル)。

また、本来アメリカンスタイルの競技にはクイックステップはない。私の通う教室では、クイックステップは「楽しいから」という理由でクラスが設けられている。うん、確かに楽しい(笑)。
ではアメリカ人はクイックステップを踊らないかというとそんなことはない。YouTubeで見るといくらでも出てくる。あくまで速いフォックストロットとしてクイックステップを踊っているようだ。実際ベーシックステップは同じだし、共通して使えるテクニックも多い。

このように、アメリカンスタイルにおけるフォックストロットは、初級レベルから上級レベルまでさまざまな難易度で踊れる、幅の広いダンスとしてあるようだ。
実際、フォックストロットに合う音楽は、社交ダンスの音楽の中でももっとも選択肢が多い。
4拍子のジャズ、ポップス系の曲で雰囲気さえ合えばいい。テンポも他のダンスに比べたらかなり幅広い(特にアメリカンスタイルでは。BPM=30〜40くらい。それ以下ならスロー、以上ならクイック、かな)。

教室ではフォックストロットの時にかかる曲はスタンダードポップスが多い。フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、ボビー・ダーリンなどなど。良い曲ばかり。曲が良いから踊りたくなる。ダンスと音楽の関係はどちらが上でどちらが下でもない。相関関係、喜びと高揚のスパイラル。

映画のペアダンスシーンでも一番よく観られるのが、このフォックストロットだが、正確にはフォックストロット以前のダンスではと。
フォックストロットはなんといっても歩くダンス。二人で散歩をするように、気楽に楽しく歩くダンスがフォックストロット。

映画でよくあるシーンは、愛を確かめるように抱き合った二人がゆっくりと揺れるように踊る、というもの。チークダンスとか、スローリズムダンスとかいうらしいけど、もう一つ言葉を見つけた。
それは「クラッシュ・ダンス」といって、LOD(ラインオブダンス:ダンスホールでの周回ルール。左回り)に沿って踊れないような混んだフロアでの踊り方のことらしい。でも、「クラッシュ」ってなんだか“正しいダンス至上主義”みたいなものが見え隠れして、あんまりいい言葉とは思えない。

私の習っているフォックストロットは、まだまだ初中級レベルのため、かなりシンプルでステップ数も少なく、パーティなどで一曲踊ると飽きて……いや相手を飽きさせてしまっているのでは、と心配になる。
でも、それではイカンのですね。たとえシンプルなステップでも、もっと曲に乗って楽しく踊ること。余裕があれば会話の一つでも楽しむこと。そんな風に踊りたいと思っているのです。

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『マーティ』

映画中ペアダンス重要度:★

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1955年アメリカ
出演:アーネスト・ボーグナイン、ベッツィー・ブレア
監督:デルバート・マン
91分

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NHK BSのアカデミー賞特集の1つとして放映。
アカデミー賞は、最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞の4部門を獲得。さらにカンヌ国際映画祭グランプリも獲得のダブルクラウン作品。

でもパッとしない映画(笑)。
もてない男と女が知り合って、前向きな一歩を歩き出すというストーリー。
当時の映画としては美男美女ではない普通の人々を描いているというところが画期的だったらしい。
確かに、主人公マーティを演じるアーネスト・ボーグナインには好感を抱くし、その日常と取り巻く人々もリアルな感じ。

出会いを求めてダンスホールに行く場面でいくつかのダンスを見ることができる。
まずダンスホールは、デート+ナンパの一大スポットで、広いフロアもかなりの混み具合。入場料は77セントだったかな。よくわからないけど数百円というところなのかな(時給40セントの仕事は最低みたいなセリフもあった)。

踊っているダンスは、スタンダードジャズに合わせてのフォックストロット(ブルース)もしくはスウィング(ジルバ)。どちらでも踊れるような曲なので、好きなように踊ればいいみたい。
でも、LODで流れたりはしないので、皆その場で踊る。必然的にフォックストロットも小さな動きになって、チークダンスのように。スローリズムダンスというと、こうしたダンスのことをまとめて表せるのかな。でも曲はそんなにスローじゃない。

ラテンの曲もかかる。
踊られているのはマンボ(サルサ)かサンバか、ハッキリしない感じ。
さっきのフォックストロットかスウィングかと同じで、あんまり意識してないのかもね、ダンスの種類は。
それだけ軽い気持ちで踊りに行っているんだろうし、わざわざダンス教室で習ってから踊るようなダンスじゃない。もっと自然な楽しみ、もしくはナンパツールとしてのダンスなんだろうな。

 

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『カッスル夫妻』

映画中ペアダンス重要度:★★★★★

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1939年アメリカ
出演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース
監督:H.C.ポッター
89分

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今日、宝物が一つ増えました。先日買ったDVD『カッスル夫妻』(原題:The Story of Vernon and Irene Castle)です。
本当に素晴らしい! 先ほど見終わったばかりですが、ちょっと興奮が収まらないところです(笑)。

アステア作品は、自分でペアダンスを始めてから見始めたため、そんなにたくさん観ていません(『バンド・ワゴン』『パリの恋人』(→記事有り)『踊る結婚式』など)。
観た作品はわずかですが、どれを見ても言葉では言い表せない素晴らしいダンス。二十世紀最高のダンスエンターテイナーと言われるフレッド・アステア。こんな人を知らずに30年以上生きてきたかと思うと損をした気分です。

私のダンスの先生も、アステアを見てその道を志すきっかけとしたそうですが、確かにその気持ち良くわかります。

アステアのダンスは最高です。
また、ダンスだけでなくその物腰、立ち居振る舞い、ジェントリー、すべてが素晴らしいオンリーワンです。
なれるものなら私はフレッド・アステアになりたい(笑)。

『カッスル夫妻』はWikipediaによるとこんな説明がついています。

ロジャースとの競演第九作。二人が往年の名ダンス・コンビであるカッスル夫妻に扮し、コンビ解消を記念する作品となった。作中での衣装、ダンス・ナンバーなどがあまりにも時代がかったものであったこと、二人の競演作にはめずらしく悲劇的な結末であったことなどから興行成績が伸びず、現在にいたるまで人気の高くない作品である。

とありますが、私の評価は違います。
私の好きなペアダンスをたっぷりと見ることができるからです。
アステアはタップダンスもそれはそれは素晴らしく、他の映画ではどちらかというとソロダンスの方が見せ場になっていることも。
その点、この映画は新しい社交ダンス(モダンダンス)を大流行させた夫妻の伝記的映画。ダンスシーンはペアダンスが中心です。

アステアのペアダンスを見ると、ステップの軽やかで素早いことなどに目が行きますが、私はダンスのリードに目を奪われます。
もちろん、映画で見せるダンスは何度も練習した振り付けのダンスでしょうが、あまりにも自然でソフトなリードは魔法のようです。彼は踊りながら度々フッと手を離して(ホールドを解いて)踊るのですが、そんな時でも見えない手でリードをしているようです。うーん凄い!
tv[→Go YouTube]

もし、アステアのペアダンスに問題があるとしたら一つだけ。それはペアダンスの主役はあくまで女性。男性はリードしながらも女性を美しく引き立てる役目なのですが、アステアのステップが華麗すぎて、どうしてもそちらに目が行ってしまうことでしょうか(笑)。いや、もちろんジンジャー・ロジャースも素敵です。ダンスも上手いし。

この映画ではフォックストロットの元になったと言われている「カッスルウォーク」の誕生の場面や、見たこともないようなタンゴ、ドラマチックなワルツなどを見ることができます。
tv[→Go YouTube]

後に撮られるようなミュージカル大作のような派手な場面がなく、その辺ももしかしたら評価の低さにつながっているのかもしれませんが、私は大好きなペアダンスがたくさん見られて大満足です。

映画を観ていると、アステアとロジャースが本当のカッスル夫妻のように思えて、その悲劇的な最後もアステアのダンスを見ているからこそ、悲しみを倍加させます。まるでアステアが死んでしまったよう。いや、死んでないので、いいですが。

映画出演もしたというカッスル夫妻のダンスも見てみたいものです。本物のカッスルウォークを。
彼は夭逝してしまいましたが、劇中のセリフが泣かせます。

「彼はダンスをする人の心の中で生き続けるんだ」

現代の社交ダンスの基礎となるスタイルを世界中に広めたカッスル夫妻は、確かに私の中にもいるのです。

 

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『花嫁のパパ』

映画中ペアダンス重要度:★

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1991年アメリカ
出演:スティーブ・マーティン、ダイアン・キートン
監督:チャールズ・シャイアー
105分

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tv予告編[→Go YouTube]

ブライダルダンス、ウェディングダンス、要するに結婚式の時に踊られるダンスに興味があって、映画で観られないかなと思っていますが、なかなかコレというものに当たりません。

『花嫁のパパ』は前に一度観たことがありましたが、TVでやっていたので再確認。残念ながらブライダルダンスはしていませんでした。

映画は面白いですよ。花嫁となる娘は可愛いけれど、どうにもわがままで、親の気持ち子知らずとはこのこと。それでも父としては娘が幸せなら頑張っちゃうんですね。そんな映画。

ダンスシーンはわずかで、自宅での結婚パーティにバンドを呼んであって客が踊るのがちらっと映ります。
それと、最後にパーティが終わってガランとした家の中で、夫婦二人が静かに踊るシーン。
tv[→Go YouTube]

どちらもなんのダンスというわけではなくて、曲種としてはフォックストロットやブルースという感じですが、単に揺れているだけに近いダンスで、私も今まではチークダンスと呼んだりしていましたが、「スローリズムダンス」という呼び方があるようです。私も今後はこれを採用します。

映画の中のダンスシーンの多くは、この「スローリズムダンス」です。フォックストロットやブルースは歩くダンスですが、こちらはその場でのダンス(スポットダンス)。
音楽に合わせて揺れるだけでも、立派にダンスなんだと思います。


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